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 独立行政法人 国立がん研究センターは、昭和37(1962)年にがんの診療、研究、研修を行うわが国で初めてのナショナルセンターとして設置されて以来、がん診療に関して優れた診断法や治療法を創出してきました。一方では、治癒を目指した治療の限界を超えた場合においても、患者さんとそのご家族のquality of life(QOL)を考慮した積極的なケアが重要と考えられ、平成4(1992)年、千葉県柏市に緩和ケア病棟を備えた東病院が開院し、平成6(1994)年に併設された研究所支所に、がんの人間学的側面を扱う精神腫瘍学研究部が誕生しました。
 精神腫瘍学は、腫瘍学、精神医学、心理学、免疫学、内分泌学、社会学、倫理学、哲学など多くの学問領域から成り立ち、あらゆる科学的手法を駆使してがんの人間学的側面を明らかにすることを目的としています。QOLの身体、心理、社会、実存的側面の向上のみならずがんの罹患や生存率の改善も目指しています。
 インフォームドコンセントを前提としたがん医療が推進される現代において、これまではがんの情報公開というとがん告知が大きな課題でありました。さらに今世紀に入って、がんの遺伝子検査から終末期の意思決定プロセスに至るまであらゆるがんの情報公開が加速してきており、患者、家族のみならず医療者もますます衝撃的な情報と取り組まなければならなくなってきました。現在、われわれ精神腫瘍学グループは、がんの予防にはじまり、検査、治療、リハビリテーション、再発・進行、積極的抗がん治療の中止、緩和ケアを含め全てのがんの臨床経過において患者、家族そしてスタッフを支えるべく格闘しています。
 精神腫瘍学グループは、がん診療施設や教育研究機関とネットワークを構築しながら、がん診療、研究、研修体制を築き上げ、国民の信頼に応えるべく、粉骨砕身、一層の努力を重ねていく所存です。