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「膵がん・胆道がん教室」で治療・生活の不安解消を

  • 中央病院・患者サポートセンターでは、毎月第3水曜日に、患者さんとご家族・介助者向けの「膵がん・胆道がん教室」を開催しています。どのような教室なのか、膵がん・胆道がん教室長で肝胆膵内科長の奥坂拓志医師と副教室長の冨永沙耶香看護師が解説します。

  • 奥坂 拓志

    教室長の
    奥坂拓志医師

  • 冨永沙耶香看護師

    副教室長の
    冨永沙耶香看護師

多職種のスタッフが講義形式で

膵がん・胆道がん教室とは?

奥坂:膵がんや胆道がんの患者さんとご家族・介助者へ、治療や生活に関する情報を提供し、治療の選択や生活の質の向上に役立ててもらうことを目的にした教室です。「入門編」(奇数月)と「応用編」(偶数月)に分けて、肝胆膵内科医、看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士、心理療法士などが講義形式で話をしています。

冨永:「入門編」では、肝胆膵内科医が膵がん・胆道がん診療の全体像と治療法、看護師が抗がん剤の副作用との付き合い方、薬剤師が副作用対策と痛みのコントロールについて話します。また、ソーシャルワーカーが高額療養費制度、傷病手当金などの活用法、心理療法士が病気のつらさやストレスとの付き合い方、がんサバイバーシップ支援部のスタッフが就労に関して情報を提供しています。

奥坂:「応用編」では、肝胆膵内科医がゲノム医療や臨床試験、管理栄養士が治療中の食事、ソーシャルワーカーがホスピスや介護保険などについて話します。昨年度から、聖隷(せいれい)三方(みかた)原(はら)病院緩和ケアチームの森雅紀医師が、人生最終段階の幸せ、医療・ケアを考える「アドバンス・ケア・プランニング(ACP:人生会議)」の話を応用編でしています。

 サロン様子

月に1回の教室は入門編と応用編を隔月で開催。応用編の後のサロンを楽しみにしている参加者も多い。

患者さん同士が交流できるサロンも

対象はどのような患者さんですか?

冨永:当院で薬物療法や放射線療法を受けている進行膵がん・進行胆道がんの患者さんです。入門編は治療開始6カ月以内、応用編は治療6カ月以降の患者さんとそのご家族・介助者が対象です。8 階の相談支援センターで予約をお願いします。

膵がん・胆道がん患者家族サロンの内容と参加者の感想を教えてください。

冨永:「サロン」は患者さん同士、ご家族・介助者同士の交流の場です。応用編の教室の後、1時間開催しています。同じ治療をしている患者さん同士とご家族・介助者同士をそれぞれ3~5人のグループに分け、ファシリテーターとしてスタッフが入りますが、基本的には自由に話をしていただいています。最新治療、副作用対策、食事の工夫、終活などが話題になることが多く、「同じ病気の人と話せてよかった」「元気が出た」と好評です。教室への参加は入門編と応用編1回ずつですが、サロンはリピーターもいらっしゃいます。

自分らしい治療・療養生活の選択を

2007年に全国初の膵がん・胆道がん教室を立ち上げたきっかけは?

奥坂:膵がん・胆道がんの患者さんは、時間的にも精神的にも厳しい状況にあることが少なくありません。自分らしく有意義な生活を送っていただくためには、普段の診療だけでは難しいと感じて、教室を立ち上げました。
治療法は刻々と進歩しており、患者さんの生活スタイルも変わってきています。膵がん・胆道がん教室で最新かつ正しい情報を入手して、皆さんの望む治療や生活を選択していただきたいです。

冨永:多職種がチームで、膵がんや胆道がんの患者さんとご家族・介助者をサポートしています。ぜひ、この教室を活用して、充実した生活を送ってほしいです。