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BNCT医療開発分野(築地)医療機器開発グループ
- 2023年4月12日
- メンバーを更新しました
- 2022年6月3日
- 業績について更新しました
- 2022年6月3日
- 主な研究内容について更新しました
- 2022年6月3日
- メンバーを更新しました
- 2018年12月1日
- 先端医療開発センター(EPOC)のHPをリニューアルしました
ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、過去の研究用原子炉で行われていた臨床成績により、現在治療成績が良好でないがんに対して、良好な治療成績が期待できる治療方法の1つとして注目を集めている。BNCTは中性子との反応断面積の高いホウ素を腫瘍に取り込ませてから中性子照射を行い、中性子とホウ素との反応によって生成されるα線と7Li線で腫瘍を死滅させる放射線治療である。生成されるα線と7Liの生体内での飛程は、細胞の大きさの約10 μmよりも短く、原理的にはがん細胞のみに線量付与を行うことが出来る。さらに、BNCTは、従来の放射線治療よりも腫瘍細胞特異的に生物学的効果の高い放射線照射が可能な治療法であり、理想的な放射線治療である。そのため、当施設においても加速器を用いたBNCTシステムを導入し、臨床応用についての研究開発を行っている。当分野ではこのBNCTをがん治療として提供・発展させていくために、臨床/物理/生物に関係する研究を行っている。また、関連する他部署とも連携して研究を推進している。
- 臨床研究: 現在、中央病院放射線治療科、放射線品質管理室、皮膚腫瘍科と連携して、悪性黒色腫と血管肉腫を対象とした第I相臨床試験を行っている。BNCTの適応拡大を目指した臨床研究も計画中である。
- 物理研究:中央病院放射線品質管理室や放射線治療科と連携し、当施設に設置している加速器を用いたBNCTシステムの物理特性試験や研究開発を実施し、臨床応用に向けたデータの取得を行うとともに、多施設臨床試験に向けて、医学物理学的観点から臨床試験の支援やBNCTの品質保証、研究の提案についての準備作業も実施している。さらに、BNCTの高精度治療化を目指した医学物理研究を進めている。
- 生物研究:中央病院放射線治療科、放射線品質管理室、病理診断科、外部機関や企業と連携し、BNCTの至適化や適応拡大に関わるバイオマーカーの探索と検証などの生物学的研究、加速器BNCTシステムの生物特性に関する研究、放射線増感法の包括的研究を進めている。