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機能診断開発分野(柏)医療機器開発グループ

:機能診断開発分野

当分野では、ゲノム医療時代のprecision medicineの実現につながるがんの低侵襲個別化治療を提供できるようにするため、がんの機能的な性状を可視化する画像診断技術を、基礎的および臨床的なアプローチで開発することに注力しています。主に、核医学検査、核磁気共鳴画像(MRI)検査、光イメージング検査およびその融合検査に関して、最新の画像診断装置を導入して研究を進めています。

核医学領域では、放射性核種(RI)を結合させたがん病巣に親和性のある分子プローブの開発に注力しています。例えば、腫瘍組織に高発現するインテグリンに高い選択的親和性を示すRGDプローブの開発を行ったり、代表的なDDSであるリポソームにRIを封入した薬剤をがん診断に用いる際の課題であったRIの網内系組織への停滞を回避するために、一度、網内系組織に集積したRIを速やかに排泄されるようにするキレート封入体の開発を進めたりしています。これらの診断技術に加えて、診断用核種標識薬剤で検出したがん病巣を治療用核種を使って治療する診断治療一体化(theranostics)技術の開発を目指しています。最近では、α線放出核種を用いた検討を進めています。

MRI領域では、既に臨床応用されている超常磁性酸化鉄造影剤の新しい活用法を探っています。治療精度が著しい目覚ましく向上している放射線治療と組み合わせて、肝臓癌の放射線治療時の照射域の検証や正常肝組織の障害の範囲や程度の評価を行って、肝臓癌の治療の最適化を図る手法の開発に力を入れています。

MRI技術を利用すると、生体の代謝情報をスペクトルの形で、観察することができますが、がんサバイバーやスーパー・レスポンダーのがん病巣やそれ以外の健常組織の代謝情報を評価することで、がんの病態に迫る研究も検討しています。

光イメージング検査に関しては、これまで光イメージング検査で利用されてきた近赤外線光よりも長波長の波長が1,000nmを超える長波長近赤外線光の生体イメージングへの応用研究を開始しました。光断層画像の実用化を目指しています。

この他、人工知能を用いた臨床画像の診断精度の改善を目指す研究などの臨床研究にも参加しています。

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