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がん根治的治療後の再発予防法としての個別化がんワクチン療法の開発
各患者のがんの遺伝子変異のすべてが簡単に分かる時代になり,がんの免疫療法において,その遺伝子変異により新たに生じる「ペプチド」の重要性がクローズアップされました。この「ネオアンチゲン」と呼ばれる変異ペプチドは患者個々によって種類も数もことなりますが、それらがHLAに乗ってがん細胞の表面に出ると、それらは正常細胞の表面にはないペプチドですから、CTLはそれを敵とみなし、がん細胞を殺せることが明らかとなってきました。今では、「ネオアンチゲン」を使った個別化のがんワクチン療法が、がんの治療法や再発予防法として有効かどうかを確かめる臨床試験も、欧米では行われるようになってきました。肝胆膵がんや肺がんなど、根治的に切除しても高率に再発してしまう難治性がんを対象に、日本でも行うべく、準備を進めていきます。我々は既に、次世代シークエンス等の最新のテクノロジーを用いて、切除がん組織の情報から患者HLAに結合しうるネオアンチゲンペプチド候補群を同定することができます。その中から患者のリンパ球が反応する投与すべき最適な複数のペプチドをスクリーニングする方法を開発して、個別化がんペプチドワクチン療法を具現化するとともに、その臨床試験を実施するために立ちはだかる規制の問題を早期からPMDAに相談してクリアすることを目指していきます。