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がん組織の病理像と物性の関連を基にした診断法の開発とバイオマーカーの探索

がん組織の物性 (硬さなど)と病理像、分子発現の検討を通じて、新しい診断法の臨床導入や予後マーカー、治療標的の探索を行います。

一般的にがん組織は硬く触知され、その中でも硬く触知される癌はスキルスと呼ばれ、古くから悪性度が高いと考えられてきました。一方でヒト組織を計測する方法が少なく未発達であったため、疫学的、臨床病理学的研究が進みませんでした。

私達は接触インピーダンス法を用いた機器を使用して、多数の大腸がん組織の硬さを計測し、硬さが癌の診断、病期の診断や悪性度予測に有用であることを示し、硬さを用いた診断医療機器開発における基礎情報を確立しました。ヒト組織の硬さの計測は、がんの診断のみならず膵癌術後の合併症予測や乳癌術後リンパ浮腫の診断への応用も期待されており、臨床医や他施設の協力を得て、精力的な研究が進められています。

私達の検討から、ヒトがん組織の硬さは膠原線維の量や線維芽細胞のアクチン発現と強く相関していることが判明し、網羅的な解析から、硬い腫瘍と柔らかい腫瘍では分子発現が大きく異なることも判明しています。これらの研究を土台として、新しいバイオマーカーや治療標的候補の探索が可能となっています。

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