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支持療法開発分野(築地)医薬品開発グループ
- 2019年1月29日
- 当分野の共同研究プロポーザルをアップデートしました
- 2018年12月1日
- 先端医療開発センター(EPOC)のHPをリニューアルしました
支持療法開発分野は医薬品開発グループの一分野として2015年に設立されました。がん支持療法、緩和ケアはがん患者の治療の副作用の軽減およびがん終末期の患者の生活の質(QOL)の維持向上に重要ですが、難治性疼痛に対応できる鎮痛薬がない、がん悪液質の症状改善の方法がないなど、解決すべきアンメットメディカルニーズが存在します。当分野は、新規鎮痛薬、がん悪液質改善剤等の開発、企業導出および上市を目的として研究を進めています。以下のように、1) 難治性疼痛およびモルヒネ抵抗性疼痛、2) 抗がん剤の副作用およびがん悪液質症状を改善するための研究を行っています。
- 新規口内炎鎮痛薬の創薬
味覚、食感を損なわず痛みのみを止める新規口内炎鎮痛薬の開発を日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと行い、2018年10月に企業へと導出することができました。今後は企業とともに上市に向けた臨床開発を行っていきます。 - 脂質シグナル修飾による難治性慢性疼痛鎮痛薬の開発
難治性慢性疼痛の克服に向けて、非ステロイド性鎮痛薬、医療用麻薬に続く新規カテゴリー鎮痛薬の開発を目指しています。国立国際医療研究センター研究所と共同で、血小板活性化因子(platelet activating factor: PAF)によるPAF-pain Loop形成に伴う痛みの持続を断ち切る化合物をスクリーニング中です。 - がん悪液質改善薬の開発
鹿児島大学が見出した新規デスアシルグレリン受容体をターゲットとし、分子メカニズム解明に基づく創薬の共同研究を国立がん研究センター研究開発費の支援を受け行っています。 - がん患者のQOL向上に資する漢方薬の研究
近年がん患者のQOL向上に役立つことが認められてきた漢方薬に焦点を当て、その分子作用機序を明らかにすることにより、今痛みや悪液質に悩んでいる患者に必要な漢方薬を適切に届ける研究を行っています。
当分野ではこのように、研究所がん患者病態生理研究分野や他大学より見いだされた支持・緩和療法のアンメットメディカルニーズとなるシーズ開発を行っています。これらを国立がん研究センター中央病院支持療法開発センターおよびJ-SUPPORT(外部サイトにリンクします)で行っている支持・緩和ケアに特化した第II、第III相試験につなげ、さらに新薬開発のための拠点形成を目指しています。