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がん対策情報センター

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「胃がんとの遭遇~まさか私が!~」

日時:2014年12月12日(水曜日)13時30分から15時
場所:逗子文化プラザ 市民交流センター 2階会議室

国立がん研究センターでは、がんをはじめとする健康や医療に関する情報を、生活の中で身近に感じられるような環境づくりを目指して、図書館と医療機関が連携したプロジェクトを進めています。その取り組みの1つとして、がん診療連携拠点病院の医師や相談員、市の保健師らが講師を務める講演会「胃がんとの遭遇~まさか私が!~」が、逗子市立図書館を会場として開催されました。

高山智子部長

まず、このプロジェクトを担当する司会の高山智子部長(国立がん研究センターがん対策情報センター)より、会の趣旨が紹介された後、早速、講師の市川靖史先生(横浜市立大学附属病院)の講義が始まりました。


市川先生からは、名だたる戦国武将も胃がんであったという説を示した書籍も紹介しながら、がんは多くの種類があり、がんの種類によって治療法も異なること、国によって多いがんの種類が異なるが、胃がんは日本人に多く、とても身近な病気であること、進行がんを治すことは非常に難しいため、予防と早期発見が大事であること、それには定期的にがん検診を受けること、そして困ったときにはきちんと相談することが必要、というお話がありました。

市川靖史先生

ピロリ菌は胃がんの原因となりますが、ピロリ菌に感染しても20歳代で除菌を行えばがんの発生はほぼ抑えることができること、塩分を控え適正な体重を維持することなどが重要であることなど、予防の知識についても解説がありました。また、実際の検診のときに使う胃カメラや、バリウムとレントゲンによる胃がん検診の写真の紹介もあり、実際の検診の様子を教えていただき、参加者の質問に答えてレントゲンと胃カメラにはそれぞれ長所短所があること、胃カメラの技術は急速に進歩しているので一度苦しいと思ってもあきらめないで再度受けてみてほしいという呼びかけがありました。

山田寛子さん

続いて、逗子市役所国保健康課の山田寛子さんより逗子市で行われているがん検診についての紹介がありました。最初に、「がん検診を受けたことがありますか?受けていない方はなぜですか?」という山田さんからの質問に対して、受けていない理由を尋ねられた参加者からは「以前一度受けたが苦しかったので途中でやめてしまった」「他の病気もあり、がんの検診に行く余裕がなかった」といった声がありました。逗子市の死因の1位はがんであること、胃がんの検診受診率は8%程度であるという山田さんの紹介に、「受ける人が少ないと思う」といった感想があがりました。

逗子市が提供するがん検診は、逗子市民で40歳以上であれば受けることができ、通常の費用より格安で受けることができること、全戸に配布されている健康サポートブックの中に受診の仕方についても説明があること、また疑問や不安があれば、逗子市国保健康課健康係、市役所1階5番窓口でいつでも相談できることが紹介されました。
逗子市立図書館

逗子市立図書館の吉見國子さんからは、逗子は高齢化率の高い地域であり、それに伴って医療健康に関する情報のニーズも高まっており、そのニーズを受けて2014年7月の健康・医療情報コーナーが逗子市立図書館2階に開設されたことが紹介されました。このコーナーには、書籍だけでなく、雑誌や新聞の切り抜き、パンフレットなどの資料も揃えられています。また、欲しい資料が見つからない場合には、2階のレファレンスカウンターで、要望に応じて、図書や相談できる窓口、インターネット上の情報を紹介してもらえるとのことです。この日は、逗子市立図書館が所蔵する書籍の中から、胃がんに関するブックリスト、そしてその中から特にお薦めの5冊が紹介されました。

清水奈緒美さん

演者の最後は神奈川県立がんセンターのがん相談支援センター、清水奈緒美さんで、がん相談支援センターについて紹介がありました。全国のがん診療連携拠点病院や神奈川県内の指定病院には、がん相談支援センターが設置されており、患者さん、ご家族、地域の方からの相談を受けていること、その病院にかかっていなくても無料で相談でき、電話でも対応可能なこと、患者さん同士が話し合う場である患者サロンや患者会なども運営していることなどが紹介されました。

全体を通じた質疑の後、長平井竜一逗子市長から、逗子市立図書館にある20万冊の本を活用し、医療機関とも連携しながら、図書館が健康・医療情報を発信できる拠点になっていくことを大いに期待しているというコメントがあり、閉会しました。

長平井竜一逗子市長

閉会後には、県内のがん診療連携拠点病院である、神奈川県立がんセンターと横浜市立大学附属病院から合計4人の相談員よる出張相談会が行われました。今後の継続的な出張相談を望む声もあり、より身近ながん相談支援センターとなるよう取り組みを進めていきたいと考えています。

プログラム

「胃がんとの遭遇~まさか私が!~」(PDF:135KB)

講演内容一覧・資料