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大腸がん予防を目的とした行動変容型運動介入

プロジェクトの背景

  • がん対策研究所では、精度の高い疫学研究により、主にがんのリスク因子や早期発見・診断法に関するエビデンスを創出してきました。
  • 主に観察研究のエビデンスに基づき、身体活動・運動は大腸がん罹患リスク低下に関連する確実な予防因子として評価されていますが、介入研究からのエビデンスは皆無に等しいのが現状です。
  • 身体活動・運動は大腸がん患者の予後とも関連することが指摘されており、最近ではランダム化比較試験(CHALLENGE trial)により、活動量を増やすことで大腸がん患者の全生存期間および再発リスクが有意に低下することが明らかとなりました。しかし介入試験で実施された運動介入プログラム自体は、提供する労力等を考慮すると、広く普及可能な手法とは言えず、多数の対象者に提供可能な比較的簡便な手法の開発が求められています。

プロジェクトの目的

  • 予防介入研究を軸とした精度の高い疫学研究基盤の構築とリスク低減手法のエビデンス創出のための研究として、「大腸がん予防を目的とした行動変容型運動介入の効果検証:ランダム化比較試験」を立案し、研究開始に向けた準備を進めます。
  • 本試験の目的は、大腸腫瘍を内視鏡的切除により治療された患者さんのうち、運動習慣のない方を対象に、自重による高強度インターバルトレーニングと筋力トレーニング(自重によるスロートレーニング)を組み合わせた、3年間の行動変容型運動介入プログラムを実施します。そして3年後の最大酸素摂取量が改善するか、また3年後の大腸腫瘍発生率を抑制するかという点を検証することです。

運動介入手法の開発実績

我々の研究グループでは、Webアプリケーションとウェアラブルデバイスを活用して、乳がんサバイバーが生活の場で実施できる自重を用いた高強度インターバルトレーニングの運動プログラムを開発し、12週間の介入により最大酸素摂取量ならびに下肢筋力の向上効果をランダム化比較試験で明らかにしました(Ochi E, et al. BMJ Support Palliat Care. 2022;12(1):33-37)。

プロジェクトの意義

  • 本行動変容型運動介入プログラムが、長期的な運動習慣の維持とそれに伴う体力向上に有効であることを証明することにより、情報通信技術を活用した比較的簡便な運動介入手法の確立を目指すものです。
  • 運動による大腸腫瘍発生抑制に関する介入研究からのエビデンスの科学的意義は極めて高く、本研究で収集する生体試料を付随研究として詳細に検討することにより、運動による大腸腫瘍の発生抑制メカニズムの解明および個別化予防への貢献も期待されます。

お問い合わせ

国立研究開発法人国立がん研究センター
がん対策研究所 疫学研究部

ダイヤルイン:03-3547-5201(内線3386)
Eメール:moiwasak●ncc.go.jp(●を@に変更してください)