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代表者あいさつ
ARCADアジアでは、製薬企業やアカデミア研究グループにおいて過去に実施された臨床試験のデータをシェアリングして利活用することにより、新しいがん医薬品開発の効率化や病態の更なる理解とエビデンス創出を実現し、よい治療をより早く、患者さんに届けることを目指しています。
データシェアリングは、効果的な科学の推進とそれによるイノベーションの実現を目的に、医療分野にかぎらず、近年広く進められている取り組みです。欧米では2000年代半ばより、がん臨床試験のデータをシェアリングする「ARCAD(Aide et Recherche en Cancérologie Digestive)事業」が開始され、現在では数万人規模の高品質のデータが利活用できるような環境が整えられています。ARCAD事業により、単一の臨床試験では叶わなかった、代替評価項目の検証、特別な患者サブグループの検討、新たな病期分類の提案をはじめとする予後因子の再構築など幅広い国際的な成果を生みだすことが可能となっています。
国立がん研究センター東病院は、日本においてもデータシェアリングを行う科学的な基盤を構築し、がん治療の成績向上に貢献したいという思いから、ARCAD事業と連携し、かつアジア諸外国の臨床試験データの利活用が可能となるようなスキームを目指した「ARCADアジア」を発足させました。われわれのARCADアジアはARCAD本部と密接に連携し、欧米諸国とアジア諸国における医薬品開発を活発化させ、国際調和の推進に寄与することも期待します。
本事業をすすめることで、患者さんとそのご家族の皆さま、また患者さんを診察する医師にとって、より適切ながん治療が速やかに届くことを期待しています。
ARCADアジア事業代表者
国立がん研究センター東病院
副院長/医薬品開発推進部門長
吉野孝之