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RNA依存性RNAポリメラーゼ活性の生化学
テロメア伸長酵素として知られるテロメラーゼ(TERT)はこれまで、RNAを鋳型にしてDNAを合成する酵素、すなわちRNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)としての機能がその本態と考えられてきました。私たちのグループは、このテロメラーゼにRNA依存性RNAポリメラーゼ活性があることを見出しました(Nature 2009 Maida et al.)。この、「二つの酵素活性の使い分けの分子機序」を解明することは、科学的に非常に重要な命題であると同時に、がん治療戦略を考える際の標的分子機序を見極める上でも非常に重要な情報となります。現在、私たちのグループでは生化学的なアプローチで二つの酵素活性の使い分け機序の解明に取り組んでいます。
また、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性により合成されるRNAの特徴の解析や、これらのRNAの生物学的意義、さらには、相互作用のあるタンパク質の同定と機能解析などを、生化学的手法を駆使して解析しています。