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再発・難治多発性骨髄腫におけるctDNA変異の臨床的意義
血液がんの一種である多発性骨髄腫(MM)において、TP53以外の遺伝子変異と予後との関連は未解明であり、また再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)における遺伝子変異の予後との関連も未解明でした。最近、MMにおける循環腫瘍DNA(ctDNA)解析が、その低侵襲性と体内の全クローンの情報を反映しうるポテンシャルから注目されています。
我々はRRMMの患者を対象にした国内の臨床試験(C16042試験, NCT03433001)に参加された261名の患者さんから、骨髄形質細胞(BMPC)とctDNAを採取し遺伝子解析を実施しました(Kogure Y, Blood, 2024)。その結果、BMPCとctDNAにおける変異頻度が明らかになり、特にTP53変異がctDNAに特徴的でした。さらに、ctDNA解析においてTP53変異やKRAS変異など6つの変異、あるいは変異遺伝子数による無増悪生存率の予測能が優れていることを示しました。さらに、ctDNAを利用した効率的な予後予測モデル(ctRRMM-PI)を開発しました。このように、ctDNA解析はMM患者さんに最適な治療を選択するための基盤となる可能性があることが示されました。
プレスリリース:「再発・難治性多発性骨髄腫における循環腫瘍DNA変異を解析 骨髄の形質細胞DNAを上回る高い予後予測能力を示す」
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