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臨床研究支援業務(臨床検体処理・保管)

更新日 : 2021年9月14日

臨床研究で発生する検体処理・保管業務


当部門ではTR/rTR推進のために2016年頃より検体管理体制の基盤整備を開始し、国立がん研究センター中央病院複数診療科の医師主導臨床研究・医師主導治験附随研究で発生する臨床検体の処理や保管業務を行っています。

臨床検体が発生した際には、病院内で匿名化後に処理・保管を実施し、解析が開始するまでの間、サンプルの管理をしています。

現在は、約30の臨床研究支援をしており、2017年から約1800件近くの検体の処理・保管をしてきました。2020年は、国立がん研究センターのがん患者さん・健常人(当センター職員)を対象とした新型コロナウイルス抗体保有の調査研究において8~10月という短い間で1000件以上の血清を分離・保管、解析部署への引き渡しを担当し、支援をしてきました。

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◆診療科別の支援研究数(2017~2021年)

診療科名

2017

2018

2019

2020

2021

呼吸器内科

3

4

12

15

13

腫瘍内科

7

7

7

6

7

小児腫瘍科

1

3

4

4

4

肝胆膵内科

-

1

1

2

1

先端医療科

2

2

2

2

1

皮膚腫瘍科

1

1

-

-

-

全診療科対象

-

1

1

3

2

合計

14

20

28

33

29

 

◆検体処理実績(2017年~2021年7月)

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検体の処理や保管方法


匿名化後の検体は、バーコード付きチューブ(FCR&BIO社製)を用いて検体管理システム「Sample Conductor Pro」(ワケンビーテック株式会社)へ各臨床研究の登録番号とバーコードを紐づけて登録し、収納場所などの情報を管理しています。また、4℃、-80℃、-150℃と幅広い温度帯でのサンプルの保管が可能であり、異常発生時に備えて温度管理システムの導入もしています。

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検体管理システム「Sample Conductor Pro」 バーコード付きチューブ(FCR&BIO社製)
(ワケンビーテック株式会社)


臨床研究で発生する血液検体からは、血漿・血清・ヒト末梢血単核球(PBMC)の成分分離を行っています。PBMCは、Leucosepによる密度勾配遠心法、BD バキュテイナ® CPT™ 単核球分離用採血管による分離法のどちらも対応可能としています。
また、検体受領後はサンプルの質を落とさないために、速やかに対応できるよう担当者全員が心掛けています。

◆処理・保管可能な検体の種類

種別

用途

保管容器

保管温度

全血

遺伝子解析

2mLチューブ

-80℃

血漿

薬物動態・cfDNA

2mLチューブ

-80℃

血清

サイトカイン

1mLチューブ

-80℃

PBMC

免疫モニタリング

2mLチューブ

-150℃

腫瘍検体

新鮮凍結

イメージング・NGSなど

2mLチューブ

-80℃~4℃

FFPEスライド

スライドボックス

 

 

文責:吉野 友美