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診療について

年間約250名から300名の悪性リンパ腫の新患数は国内最多の施設の一つで、世界でも屈指の数です。血液腫瘍科内では統一した診療方針が貫かれています。入院中の患者さんだけではなく、外来通院中の患者さんについても診療科としての治療方針を決定するために、毎週、カンファレンスが開かれ、スタッフ全員の目が通されます。さらに悪性リンパ腫では初診の患者さんの病理診断および治療方針決定を目的に毎週カンファレンスが開かれ、病理医、放射線診断医、放射線治療医の参加のもとで統一的な治療方針が決定されます。また、これらのカンファレンスは、若手医師にとっては格好の教育の場になっています。造血幹細胞移植科とは週1回カンファレンスを行い、造血幹細胞移植の適応などに関してさまざまな角度から共同で検討しています。

診療実績

 

血液腫瘍科 年次別疾患別新患患者数

  2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
急性骨髄性白血病 (4-6) (7-9) (1-3) (4-6) (4-6) (4-6) (1-3)
急性リンパ性白血病 (7-9) (4-6) (1-3) (1-3) 11 (4-6) (7-9)
慢性骨髄性白血病 10 (7-9) (7-9) (4-6) (1-3) (4-6) (1-3)
慢性リンパ性白血病 (4-6) (7-9) (1-3) (1-3) 0 (1-3) (4-6)
その他の白血病 (1-3) (1-3) (1-3) (1-3) (1-3) (1-3) (1-3)
骨髄異形成症候群 (7-9) 11 (7-9) 11 (7-9) (4-6) 11
非ホジキンリンパ腫 156 237 224 211 201 215 248
ホジキンリンパ腫 (7-9) 17 27 17 (7-9) 16 20
成人T細胞白血病/リンパ腫 (4-6) (4-6) (4-6) (1-3) (4-6) (1-3) (1-3)
多発性骨髄腫 14 14 11 14 (4-6) (7-9) (4-6)
原発性マクログロブリン血症 (1-3) (1-3) (1-3) (1-3) (1-3) (7-9) (1-3)
合計 223 315 295 278 254 272 311
セカンドオピニオン 181 216 273 329 203 227 232

注:診療実績について、1月から12月までの1年間で集計しています。

血液腫瘍科 治療成績(疾患別)

疾患名 完全寛解率 当院からの
登録患者数
患者登録年代 臨床試験名
急性骨髄性白血病 78% 13 2002年から2006年 JALSG-AML 201
急性骨髄性白血病 未確定 9 2011年から2015年 JALSG-AML 209
急性前骨髄球性白血病 95% 2 1998年から2002年 JALSG-APL97
急性前骨髄球性白血病 95% 2 2004年から2011年 JALSG-APL 204
急性前骨髄球性白血病 未確定 2 2014年から2016年 JALSG-APL 212G
治療関連白血病 75% 16 1996年から1999年 NA
急性リンパ性白血病 74% 8 1998年から2001年 JALSG-ALL 97
急性リンパ性白血病 86% 9 2003年から2010年 JALSG-ALL 202
急性リンパ性白血病 未確定 6 2014年から2016年 JALSG-ALL-213
フィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病 未確定 1 2014年から2016年 JALSG-Ph+ALL-213
慢性骨髄性白血病 未確定 1 2008年から2010年 JALSG-CML 207
慢性骨髄性白血病 未確定 4 2012年から2016年 JALSG-CML212
ホジキンリンパ腫 79% 7 1993年から1997年 JCOG 9305
ホジキンリンパ腫 72% 6 1998年から2000年 JCOG 9705
ホジキンリンパ腫 未確定 2 2015年より JCOG 1305
中高悪性度非ホジキンリンパ腫(IPI L、LI) 79% 19 1996年から1999年 JCOG 9508
中高悪性度非ホジキンリンパ腫(全IPI) 64% 55 1999年から2002年 JCOG 9809
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(全IPI) 未確定 49 2008年より JCOG 0601
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(IPI H、 HI) 未確定 16 2008年より JCOG 0908
マントル細胞リンパ腫 82% 5 2008年から2012年 JCOG 0406
低悪性度B細胞リンパ腫 66% 52 2002年から2007年 JCOG 0203
低悪性度B細胞リンパ腫 未確定 1 2016年より JCOG 1411
成人T細胞白血病リンパ腫 36% 6 1994年から1997年 JCOG 9303
成人T細胞白血病リンパ腫 33% 6 1998年から2003年 JCOG 9801
成人T細胞白血病リンパ腫 未確定 9 2013年より JCOG 1111
限局期NK/T細胞リンパ腫 77% 8 2003年から2007年 JCOG 0211
多発性骨髄腫 50%
(全奏効率)
10 1993年から1998年 JCOG 9301
多発性骨髄腫 50%
(全奏効率)
9 2002年から2005年 JCOG 0112
多発性骨髄腫 未確定 6 2013年より JCOG 1105
多発性骨髄腫(再発・再燃例) 未確定 7 2009年より JCOG 0904

(血液腫瘍は種類が多く、疾患単位ごとの患者数が少ないため、以上の治療成績は当院が参加している多施設共同臨床試験の成績です)

血液腫瘍科は血液検査も担当しており、骨髄血、末梢血液の細胞形態を顕微鏡で検査するだけでなく、治療方針の決定に重要な細胞表面マーカー検索やがん細胞の遺伝子検索も担当しています。これらの検査も、最終的には検査技師を含む複数のスタッフの目で確認されるシステムを採用しています。