センター長ごあいさつ

先端医療開発センターの使命は、国立がん研究センターが目指す「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会」の実現に向けて、迅速に研究開発を推進することです。そのためには臨床の現場が求めているものを的確に判断し、そのニーズに応える革新的なアイデアやシーズを磨き上げる場が必要です。

オープンイノベーションの波、創薬技術のプラットフォーム化など、医薬品、医療機器開発を取り巻く環境はめまぐるしく変化しており、こうした変化に即応できる国際的な拠点の重要性はますます高まっています。先端医療開発センターの将来像は、中央病院、東病院、研究所をはじめとする国立がん研究センターの各部門や、国内外の研究機関との協働による優れた臨床・基礎研究の基盤に立脚し、実用化のボトルネックとなる規格・製造の諸問題を産学連携で克服し、明確な出口戦略に基づいて多様な専門分野の技術・科学を収斂（convergence）できる柔軟な組織です。

私たちは再生・細胞医療、遺伝子治療、抗体医薬、核医学治療、AI、ロボットなど、がん医療のゲームチェンジャーと期待される技術の、応用研究から早期臨床研究をカバーするnear clinical phaseを特に注力すべき領域と定め、柏の葉再生医療プラットフォームをはじめセンターのメンバーが内外の専門家と横断的に連携する取り組みを始めています。これからも「先端医療開発センターならば実現する」と信頼されるユニークな開発拠点を目指していきます。