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分子プローブの開発に関する研究
われわれは、がん病巣が発する情報を可視化したり、がん病巣への高い選択性を示したりするいくつかの分子プローブの合成を手がけている。
インテグリン親和性分子プローブを用いた微小膵臓がん病巣検出技術の開発
膵臓癌は代表的な難治がんであり、早期癌の段階での発見による完全切除以外に治癒を期待することは難しい。われわれは、膵臓癌にインテグリンが高頻度に発現することに注目し、インテグリンに強い親和性を示す分子プローブ 111In-DOTA-c(RGDfK)を使った微小膵臓癌病巣の検出に成功した。
- Yoshimoto M, Hayakawa T, Mutoh M, Imai T, Tsuda K, Kimura S, Umeda IO, Fujii H, Wakabayashi K. In vivo SPECT Imaging with 111In-DOTA-c(RGDfK) to detect early pancreatic cancer in a hamster pancreatic carcinogenesis model. J Nucl Med, 53:765-771, 2012[PubMed(外部サイトへリンクします)]
腫瘍内低酸素領域を可視化するためのプローブの開発
腫瘍内低酸素領域は、放射線治療や化学療法に対して抵抗性を示す原因となるため、その局在を可視化することはがん治療の最適化につながる。われわれは、ニトロイミダゾール化合物が還元される性質を利用して、低酸素領域に停滞する99mTc標識分子プローブを合成した。99mTcは汎用性の高い放射性核種であり、臨床応用により、多くの施設で検査を実施することが可能となる。
- Kimura S, Umeda IO, Moriyama N, Fujii H. Synthesis and evaluation of a novel 99mTc-labeled bioreductive probe for tumor hypoxia imaging. Bioorg Med Chem Lett, 21:7359-7362, 2011 [PubMed(外部サイトへリンクします)]