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前臨床・in vivoイメージング研究
新しい分子プローブや画像診断技術の臨床応用を目指して、前臨床研究やin vivoイメージング研究を進めている。
ホウ素中性子捕捉療法(boron neutron capture therapy, BNCT)におけるFBPA PET検査の有用性評価に関する検討(中央病院放射線診断科との協同研究)
ホウ素中性子捕捉療法は、ホウ素化合物を取り込ませたがん細胞に熱中性子線を照射する新しいがん治療法であり、難治癌への応用が期待されている。この治療では、がん病巣へのホウ素化合物の取り込みが十分量あることが治療の成功の鍵となる。われわれはホウ素化合物ボロノフェニルアラニンのPET核種標識体であるFBPAが、がん病巣へのホウ素化合物の取り込みを予測し、BNCTの治療効果の予測に役立つことを実験的に検証している。
SPECT検査によるDDS製剤の薬効予測技術の開発 (エーザイ株式会社との共同研究)
薬剤送達系(drug delivery system, DDS)を利用することにより、抗癌剤の薬効増強や副作用軽減が期待されるため、DDS製剤の開発が精力的に進められている。しかし、こうしたDDS製剤の効果は必ずしも全ての患者さんに認められるわけではない。我々は、代表的なDDS製剤であるリポソーム製剤に放射性核種(RI)を封入することにより、リポソーム製剤の腫瘍集積性をSPECT検査により評価し、その薬効を予測する技術の開発に成功した。
RI封入リポソームが良好な集積を示す腫瘍では、DDS製剤の特長である薬効増強が確認できた。
- Reprinted from Cancer Science, vol 107, Ito K, Hamamichi S, et al., Radiolabeled liposome imaging determines an indication for liposomal anticancer agent in ovarian cancer mouse xenograft models. Cancer Sci 60-67, Copyright (2016), with permission from Wiley Publishing.
- Ito K, Hamamichi S, Asano M, Hori Y, Matsui J, Iwata M, Funahashi Y, Umeda IO, Fujii H: Radiolabeled liposome imaging determines an indication for liposomal anticancer agent in ovarian cancer mouse xenograft models. Cancer Sci 107(1): 60-67, 2016
Superparamagnetic iron oxide (SPIO) 造影剤を用いたMRIによる肝臓がん放射線治療の最適化技術の開発
強度変調放射線治療(IMRT)、陽子線治療等の放射線照射技術の発展に伴い、肝臓がんへの放射線治療が実施される機会が増加しているが、肝臓は呼吸性移動などの影響を受ける臓器であるため、肝臓がん病巣への照射状況の評価は臨床的に重要である。われわれは、放射線照射を受けた肝組織からのSPIO造影剤の洗い出しが遅延することを利用して、肝臓の放射線照射域を評価する方法を考案し、動物実験で実行可能性を示した。
- Reprinted from Journal of Magnetic Resonance Imaging, vol 45, Furuta T, Yamaguchi M, et al., Persistent T2*-hypointensity of the liver parenchyma after irradiation to the SPIO-accumulated liver: An imaging marker for responses to radiotherapy in hepatic malignancies. J Magn Reson Imaging 303-312, Copyright (2016), with permission from International Society for Magnetic Resonance in Medicine
- Furuta T, Yamaguchi M, Minami M, Ohtomo K, Fujii H: Persistent T2*-hypointensity of the liver parenchyma after irradiation to the SPIO-accumulated liver: An imaging marker for responses to radiotherapy in hepatic malignancies. J Magn Reson Imaging 45(1): 303-312, 2017.