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粒子線医学開発分野(柏)医療機器開発グループ

放射線の線量集中性に優れた粒子線(陽子線)を用いた良質な医療を提供するとともに、粒子線(陽子線)の特性を生かした新しい技術や治療法の開発を行っています。また、陽子線治療の臨床的有効性を検証するための臨床試験も、国内の他の施設とも連携して推進しています。

現在、陽線治療関連の臨床試験は食道癌、肝細胞癌、前立腺癌において4つの臨床試験を行っております。また、2018年10月より局所進行頭頸部癌に対する、強度変調陽子線照射システムを用いたパイロットスタディーが開始し2019年度から多施設臨床試験を実施する予定です。腫瘍の進展範囲が広範囲でかつ複雑な形状であるため、陽子線治療での実現が困難であった疾患に対する治療も、実現しつつある状況です。今後も陽子線治療のさらなる技術革新を行い、患者さんにより効果的で安全な治療を提供するように開発を行っていく予定です。

また、粒子線開発分野では、基礎研究として癌細胞を用いた研究も行っています。X線照射、陽子線照射の影響を分子生物学レベルで検証するために次世代シークエンサーを用いた解析を行い、放射線が癌細胞に与える影響を網羅的に解析しています。

放射線により、DNA損傷が生じることは昔から知られていますが、その結果、DNA損傷を起点とする様々なシグナルが生じ、その後の遺伝子発現に影響を与えます。これを利用し、放射線照射後の遺伝子発現をRNA-seqなどの解析技術を用いて詳細に解析を行うことでX線や陽子線が癌細胞に与える影響が少しずつ明らかになっています。特に近年、放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療が注目を集めており、放射線照射後のがん免疫応答に着目した研究も行っています。放射線照射後のがん免疫応答を分子生物学レベルで解析することはより有効な免疫チェックポイント併用放射線治療の開発や、治療が有効な患者さんを見分けるバイオマーカーの確立につながる非常に重要な研究であり、その成果が期待されています。

それ以外にもX線と陽子線照射が癌細胞に与えるDNA損傷やその後の遺伝子発現応答の差を利用して、それぞれの放射線に適した癌を見分ける放射線治療分野における個別化医療の確立にも挑戦しています。

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お知らせ

陽子線治療に関するお問い合わせ(患者さん、ご家族の皆さま)

現在の病状が陽子線治療の適応になるかどうか

診療情報提供書が入手可能な場合には、診療情報提供書をファックスしていただいた上で確認を行っています。現在診察を受けている担当の先生と相談をして、対応をお願いしてください。診療情報提供書は担当の医師、または病院からファックスをしていただいても結構です。

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