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陽子線治療の臨床試験実施

陽子線治療は、2016年4月から小児がん(限局性の固形悪性腫瘍)が保険適応となり、さらに、2018年4月1日より、限局性及び局所進行性前立腺がん(転移を有するものを除く)、頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く)、手術による根治的な治療が困難な骨軟部腫瘍の陽子線治療も保険適応となりました。その他の疾患や部位に対する粒子線治療は先進医療で実施されています。

先進医療には、先進医療Aと先進医療Bの2種類がありますが、いずれも先進医療であることには違いはありません(それぞれの詳細な定義や内容は、厚生労働省のHPでも確認できます)。しかし、前者は全国で統一された治療方針に基づいて学会のデータベースに全例登録をして実施する治療、後者は厳密なプロトコールに沿って実施する臨床試験です。両者とも将来の保険適応を目指した治療ではありますが、後者の先進医療Bでの臨床試験は、その結果が直接保険収載の材料や情報として使われます(民間保険の先進医療特約は、いずれの場合でも対象となります)。当センターの粒子線医学開発分野では、臨床試験の実施を、臨床試験の研究代表者または参加施設として、全国の陽子線治療施設とも協力・連携して推進しています。また、臨床試験で陽子線治療が安全にかつ精度高く実施できるように、その医学物理学的な精度担保にも積極的に関与してします。

在当院では陽子線治療において以下の臨床試験を実施しております。下記の対象疾患以外については、統一された治療方針に合致すれば通常の先進医療として治療は可能です。陽子線治療の統一治療方針については、日本放射線腫瘍学会のHPに掲載されていり、下記のURLで確認できます。

日本放射線腫瘍学会HP: https://www.jastro.or.jp/particle_beam/detail.php?eid=00002

今後も臨床試験が増えていく予定です。2021年9月より局所進行頭頸部扁平上皮がんに対するIMPT(強度変調陽子線治療)の臨床試験を開始しております。陽子線治療の回数や治療期間は疾患や部位により異なるため、当センターのHPに記載された相談窓口にお電話を頂くかファックスを頂ければ回答をします。

臨床試験名 内容
JCOG1315C 切除可能肝細胞癌に対する陽子線治療と外科的切除の非ランダム化同時対照試験
iProton 局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する強度変調陽子線治療による晩期有害事象低減効果に関する多施設共同臨床試験