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病理・臨床検査トランスレーショナルリサーチ分野(柏)

病理・臨床検査TR分野は、東病院病理・臨床検査科、検査部のメンバーを中心に構成されています。当分野では、東病院にて採取された検体を加工して付加的な価値を持たせ、それらを用いた新しい病理診断法・治療法、医療機器の開発に対する研究基盤を提供することを目標に、臨床腫瘍病理分野のメンバーと共に研究を行っています。がんの組織病態(悪性像、治療感受性)にかかわる新たな分子機構の解明を行うためには、ヒトがん組織検体を用いた研究が不可欠です。しかしながら、ただ単にがん組織検体を持ってきて、「研究」という名のベルトコンベアーに乗っける作業をしても、価値のある成果を得ることはできません。材料のみを集めても、建築物を造ることができないのと同じです。

本分野では、豊富な臨床情報、バイオロジー情報、形態情報などを病理組織検体情報に紐づけすることで、リアルワールドな検体情報を作成し、多種多様ながん悪性像、治療感受性の解明に対する基盤を提供することを目指しています。これらを行なうに当たり、多くの若い力を刺激し育て上げることにも力を注ぎます。

本分野の具体的な研究内容を以下に紹介します。

  1. 豊富な病理組織検体と詳細な臨床情報を用いて、新しい診断法/治療法の開発、バイオマーカー探索を臨床医、企業と共に行っています。特に、 Tissue Microarrayに関しては、7000件以上を保有しており、それらすべてに、病理情報、臨床情報が紐づいています。
  2. リアルワールドながん微小環境再現モデルの作製にも力を入れています。そのために、実際のヒトがん組織から細胞を分離、培養し、モデル作製に使用しています。
  3. 病理組織スライドには、豊富な医療情報が含まれています。病理組織スライドからデジタル画像を 取得し、機械学習技術を用いることにより、がん悪性像および治療感受性に対する付加的な病理診断情報の作成を試みています。

画像1

図2

Tissue micro array(7000件以上)

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ヒトがん組織から分離・培養した細胞(cancer associated fibroblasts; CAFs)を用いた、in vitroがん微小環境解析モデル

図4

デジタル画像、機械学習技術を用いることにより、付加的な病理診断情報の作成