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研究プロジェクト

▼食事・栄養素と疾病との関連に関する研究

食品や大気汚染由来の環境化学物質曝露と疾病との関連に関する研究

健康格差に関する研究

次世代多目的コホート研究による、レセプト・DPCデータを用いた研究

住民コホート研究におけるがんサバイバーの予後に関する研究

「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言」の作成、および、6NC内コホートにおける連携解析研究



食事・栄養素と疾病との関連に関する研究

多目的コホート研究・次世代多目的コホート研究において、食物摂取頻度調査票や尿・血液から評価した食事状況を元に、栄養素・食品・食事パターンと健康との関連についての研究を行っています。また、大規模集団における栄養疫学研究に有効な新しい食事評価方法や新しい食事曝露指標の開発も行っています。

検討の際には、連携大学院である奈良女子大学や麻布大学とも協同し、ワーキンググループを形成しながら、研究に取り組んでいます。

主な成果例:

新しい日本食パターンと死亡リスクとの関連について

食事バランスガイド遵守度と24時間尿中ナトリウム排泄量、ナトリウムカリウム比との関連について

尿中マーカーによるナトリウム・カリウム・ナトリウム/カリウム比(Na/K比)および野菜類・果物類摂取量の判定精度と必要な尿の回数について

食品や大気汚染由来の環境化学物質曝露と疾病との関連に関する研究

多目的コホート研究・次世代多目的コホート研究の対象者の居住地レベルで、大気汚染や居住状況などの環境曝露を割り当て、健康との関連を明らかにする研究を行っています。また、対象者の食事摂取状況から、食品に含まれる汚染物質を算出し食事中の汚染物質と健康影響に関する研究と行っています。

加えて、新規の環境曝露指標や汚染物質評価方法の開発にも取り組んでいます。

主な成果例:

大気汚染(PM2.5)と死亡との関連について

食事からのカドミウム摂取量とがん罹患との関連について

食事からのヒ素摂取量とがん罹患との関連について


健康格差に関する研究

近年、健康日本21やがん対策推進基本計画においても、健康格差の縮小は重要な政策課題として位置づけられており、健康状態や疾病予後における社会経済的格差への関心が高まっています。しかし、我が国において、実際にどの程度の健康格差が存在するのか、またその背景にある修正可能な要因については、十分に明らかにされていません。 次世代多目的コホート研究では、教育歴、収入、職業といった個人レベルの社会経済的背景に関する情報(SES)を把握しており、これらを活用した健康格差の測定や要因分析が可能です。こうした個人指標に基づく解析は、コホート研究基盤ならではの強みです。

さらに、健康は個人の特性だけでなく、居住地域の環境からも影響を受けます。たとえば、医療機関へのアクセスのしやすさや地域のつながり、生活環境などは、同じ個人の条件であっても健康に影響を及ぼす可能性があります。このような「地域そのものが健康に与える影響(文脈効果)」をとらえるため、居住地域の特徴をもとにした地域レベルのSES指標(地理的剥奪指標:Area Deprivation Index(ADI)など)を活用することで、背景要因を含めた、より包括的な健康格差の理解につながります。

一方で、公的統計や医療データ、あるいは複数のコホート研究を統合した解析では、教育歴や収入といった個人レベルのSESを十分に把握できないことも少なくありません。このような場合、地域レベルのSES指標を、個人のSES情報の代わりとなる「代理指標」としても活用することで、比較可能な分析が可能になります。

このように私たちは、個人レベルのSES情報と地域レベルのSES情報の両方を活用することで、日本人における健康格差に関する包括的なエビデンスの創出に取り組んでいます。

次世代多目的コホート研究による、レセプト・DPCデータを用いた研究

次世代多目的コホート研究では、レセプトデータやDPCデータを用いた研究に取り組んでいます。これらのデータの診断名の妥当性を検討することで、医療リアルワールドデータにおける正確性の基礎資料をつくることにも取り組みながら、この電子化医療情報と、次世代多目的コホート研究が有する生活習慣、社会経済状況などの背景因子の情報と組み合わせ、生活習慣や個人の体質による薬剤と疾病との関連や、様々なアウトカムとの関連を解析できる基盤となっています。

この研究は、連携大学院である横浜市立大学とも協同して、ワーキンググループを形成しながら、研究に取り組んでいます。

主な成果例:

自己申告によるピロリ菌除菌歴の正確さについて

レセプトデータを用いたがん罹患把握の正確さについて

DPCデータで判定した糖尿病有無の正確さについて

住民コホート研究におけるがんサバイバーの予後に関する研究

近年の、がんの早期発見技術や治療法の開発により、がんサバイバーは増えています。一方で、がんと診断されてからどういった生活習慣が予後と関係するのかの研究はまだ十分ではありません。本研究では、がん罹患前の生活習慣を考慮したがんサバイバーの予後改善に関する研究にも取り組んでいます。これは、世界的な課題であるため、多目的コホート研究、次世代多目的コホート研究での検討のみならず、欧州における大規模コホートであるEPIC研究とも共同して行っています。

EPICとの共同研究は国際政策研究部と共に行っています(LTS室リンク)。

「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言」の作成、および、6NC内コホートにおける連携解析研究

我が国の6つの国立高度専門医療研究センター(6NC)が連携し、がん、循環器疾患、糖尿病、精神・神経疾患など多様な疾患領域を横断して、それぞれの専門的知見を結集し、日本人の健康寿命延伸に資する科学的根拠の整理と創出に取り組んでいます。 個人の生活習慣や健康行動に加え、それらを取り巻く社会的要因にも着目し、疾患横断的エビデンスに基づく日本人の健康寿命延伸に資する予防行動等に関する目標を、提言として取りまとめ、発信しています。