腹腔鏡手術支援ロボットの開発を目指す 株式会社A-Traction2社目の国立がん研究センター発ベンチャーが柏キャンパスから誕生
2015年10月19日
国立研究開発法人国立がん研究センター
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:堀田知光、所在地:東京都中央区、略称:国がん)は、腹腔鏡手術支援ロボットの開発を行う株式会社A-Traction(エー・トラクション、代表取締役:安藤岳洋、所在地:千葉県柏市、以下「A-Traction社」)を国立がん研究センター発ベンチャーとして認定しました。国がん全体としては2社目、柏キャンパスからは初の認定ベンチャーとなります。
A-Traction社では、東病院 伊藤雅昭大腸外科長(先端医療開発センター 手術機器開発分野長兼任)と連携し、国内有数の症例数と技術を誇る東病院の内視鏡下手術の現場で生まれたニーズをもとに、腹腔鏡手術支援ロボットの開発に取り組んでいます。
株式会社A-Traction
- 会社設立:2015年8月7日
- 代表者名:安藤 岳洋
- 所在地:千葉県柏市柏の葉5-4-6 東葛テクノプラザ605
- 事業内容:腹腔鏡手術支援ロボットの開発
- ホームページ:http://www.a-traction.co.jp/(外部サイトにリンクします)
会社設立の背景
現在、腹腔鏡手術支援ロボットは世界的に普及しつつありますが、米Intuitive Surgical社のda Vinci外科手術システムがほぼ独占している状況です。日本でもほぼ同時期から研究開発が進んでいましたが、製品化という点では世界から大きく後れをとってしまっています。その一因として、医療機器を製品化するまでのハードルが高く、大手企業がリスクをとって参入しないことが挙げられます。A-Traction社は、ベンチャーというフットワークの軽さを生かして世界に対抗できる手術支援ロボットを製品化し、質の高い手術をより多くの患者さんに受けてもらうことを目的に設立されました。
資金調達について
2015年9月30日にMedVenture Partners株式会社(メドベンチャーパートナーズ、代表取締役社長:大下創、所在地:東京都千代田区、以下「MPI」)の運営・管理する「MPI-1号投資事業有限責任組合」よりシリーズA資金を調達いたしました。MPIは、今後の開発・非臨床・臨床試験などの製品開発資金に加え、自社のもつ国内外のネットワークを活用して支援を行う予定です。
A-Traction社代表取締役社長 安藤岳洋のコメント
「手術支援ロボットの開発を通じて、日本の腹腔鏡手術の精度と安全性を向上させ、より多くの患者さんに質の高い手術を受けていただけるよう、邁進してまいります」
先端医療開発センター長/東病院長補佐 大津 敦のコメント
「東病院では医療法上の臨床研究中核病院を取得し、さらに次世代外科・内視鏡治療開発センター(NEXT)の整備を進めております。今回の国がん発のベンチャー起業がNEXTの柱の一つとなって日本発の新しい外科手術機器開発を行い、患者さんへよりよい医療の提供につながることを期待しています」
MPI代表取締役社長 大下 創のコメント
「A-Traction社が手がける医療機器は、世界市場でも通用する可能性を秘めており、当社では資金とリソースの両面から支援してまいります。当社は引き続き産官学と密接に連携し、日本発の医療機器技術の商業化成功モデルの構築を目指して、医療機器分野における日本の大学・研究機関および企業が保有する優良な技術シーズへの投資を積極的に行ってまいります」
国立がん研究センター発ベンチャー
国立がん研究センターでは、研究成果を社会還元するため、知的財産戦略、産学連携を積極的に推進し、その一環として、センター発ベンチャーによる研究成果の実用化を支援しています。当センターの役職員が成し得た知的財産権や研究成果等を活用するために設立したベンチャーからの申請に対し、研究成果の活用が期待できるベンチャーを国立がん研究センター発ベンチャーとして認定しています。
プレスリリース
- 2社目の国立がん研究センター発ベンチャーが柏キャンパスから誕生
関連ファイルをご覧ください。
報道関係からのお問い合わせ先
- 国立研究開発法人 国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室(柏キャンパス)
郵便番号:277-8577 千葉県柏市柏の葉6-5-1
電話番号:04-7134-6945(直通) 04-7133-1111(代表)
Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp(●を@に置き換えください) - MedVenture Partners株式会社 担当:福山
郵便番号:100-0005 東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル7階
電話番号:03-6273-4437(代表)