全国がん登録を推進し、国民・患者に役立つがん登録の確立を目指す「がん登録センター」開設
CCR:Center for Cancer Registries
2016年1月8日
国立研究開発法人国立がん研究センター
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:堀田知光、東京都中央区、略称:国がん)は、本年2016年1月1日に施行された「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、全国がん登録および院内がん登録を推進し、さらにがん対策の情報基盤として国民・患者に役立つがん登録の確立を目指すため「がん登録センター(センター長:西本寛、Center for Cancer Registries:CCR)」を1月8日にがん対策情報センター内に開所しました。
「がん登録センター」では、全国がん登録において全ての病院等から都道府県に提供されるがん情報を一元的に集約し、都道府県と国のがん対策の基盤として用いられるようにデータベースを整備、データの提供・分析を行います。また、がん診療連携拠点病院等を中心に実施されている院内がん登録については、データの収集・分析と提供、さらには院内がん登録実施医療機関の支援について機能強化を図ります。
いずれのがん登録も情報の収集には人材の育成と収集のルールや手順の標準化が不可欠であり、標準化作業においてもリーダーシップを発揮し標準化事業を推進してまいります。
「がん登録センター」は、全国がん登録を担当する全国がん登録室および全国がん登録分析室、院内がん登録を担当する院内がん登録室、2つのがん登録情報を他の情報と合わせて分かりやすいがん統計として提供するがん登録統計室、これらの事務を統括するがん登録管理室の5室で構成し、約40名の職員が所属します。
国立がん研究センターは、国民・患者に役立つがん登録を確立し、「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会」を目指します。
左:国立がん研究センター 理事長 堀田知光
右:厚生労働省健康局長 福島靖正様
2016年1月8日の開所式では、当センター理事長の堀田知光とご来賓の塩崎恭久厚生労働大臣代理 健康局長 福島靖正様とで看板掛けを行いました。看板は、塩崎恭久厚生労働大臣よりご揮毫いただいたものです。
組織図
全国がん登録の意義
「全国がん登録」とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理する新しい仕組みです。この制度は「がん登録等の推進に関する法律」に基づいて、2016年1月1日から始まりました。
全国どこで診断を受けても、がんと診断された時点のがん情報が病院等から都道府県に届出され、国のデータベースで一元管理されるようになります。全ての病院等に届出義務が課せられることから、漏れることなくがん情報が収集され、都道府県をまたがった受診や転居による重複や漏れも防ぐことができるようになります。これにより、今まで集計できなかった正確な全国のがん罹患数(がんと診断された人の数)が分かり、このデータを用いて国・都道府県のがん対策が立てられ、対策の評価もデータを用いて行われることで効果的ながん対策の実行が可能となります。
全国がん登録と院内がん登録
「全国がん登録」は、全ての病院等から義務として届け出られるもので、病院等への負担を考えて項目数も26項目と定められています。一方、がん診療連携拠点病院をはじめ1,000近い病院ではより詳細な情報を集めるため、約90項目の「院内がん登録」を登録の専門家が標準的なルール・手順に従って登録をしており、より正確で詳細な施設別のデータが比較できるようになっています。「全国がん登録」で国・地域の状況がもれなく把握された結果が、がん対策に活かされ、「院内がん登録」で得られる病院ごとの状況が比較されて病院のがん診療が向上していくことが期待されます。また、「院内がん登録」での施設ごとのデータを参考にして受診をすることも可能となります。
プレスリリース
- 全国がん登録を推進し、国民・患者に役立つがん登録の確立を目指す「がん登録センター」開設
関連ファイルをご覧ください。
参考
- がん登録センターの概要
関連ファイルをご覧ください。
お問い合わせ先
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郵便番号:104-0045
東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511(代表)
ファクス番号:03-3542-2545
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