がん登録・統計の国際標準策定を担う国際がん登録協議会理事長に国立がん研究センター全国がん登録室長が就任
2017年12月22日
国立研究開発法人国立がん研究センター
in English
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、東京都中央区)がん対策情報センターがん登録センター全国がん登録室長 松田智大が、本年10月、国際がん登録協議会(International Association of Cancer Registries, IACR)の理事長に正式に就任しました。
IACRは、がん登録や統計に関する国際標準ルールなどを策定する国際機関です。同機関の取り組みに当センターが大きく関与することにより、日本と世界のがん登録・がん研究のネットワークが飛躍的に拡大し、欧米先進国主導となりがちな国際標準ルールの策定にアジアの視点が加味され、世界との協同、比較の促進が期待されます。
日本のがん登録は、2016年より全国がん登録として法制化されており、その集計が2018年度には公開予定です。集計は、日本のがん対策等に活用されますが、アジアや世界との協同にも活用できる統計として、日本のがん罹患率、生存率の世界での位置づけを確認することによるがん対策やがん医療の進捗評価、アジア特異の希少がんの観察に基づくがん罹患のメカニズムの解明などが期待されます。
IACRとは
IACRは、がん登録の発展を期し、1966年に設立されました。130を超える国・地域を代表する590機関(2017年10月現在)で構成され、がん登録・統計に関するルール設定、がん登録・統計に関する書籍やデータブックの刊行(がん登録の原理と方法等)、ソフトウェアの開発・提供(IARC/IACRcrgTools、CanReg5等)、eラーニングの提供、がん登録・統計に携わる研究者の研修や研究への補助金の提供、がん登録の標準化とデータ精度向上へ取り組み、個別のがん登録機関のデータ比較による研究(5大陸のがん罹患等)、対がん政策の提言につながる研究を推進しています。世界保健機関(WHO)や、国際対がん連合(UICC)、欧州がん登録ネットワーク(ENCR)とも協働しており、事務局はWHOのがん専門研究機関(International Agency for Research on Cancer, IARC、フランス・リヨン市)内に設置されています。1982年以降、毎年5大陸を巡回し開催している年次学術集会には毎回300名ほどの参加があります。
今後の展望
- 途上国を対象として、IACRがWHO/IARCと共同で進めるがん登録・統計の国際支援計画(Global Initiative for Cancer Registry Development, GICR)活動で中心的な役割を果たし、AMED e-Asiaの予算を活用して、がんの負担の大きいアジア諸国に日本の知見や技術を積極的に移転する。
- 先進国を対象として、IACRが設定する国際的ながん登録・統計のルールの更新、詳細な実務方法の提言や研修カリキュラムの作成、認定制度の施行によって、更なる標準化と精度向上、データの積極的活用を図る。
報道関係からのお問い合せ先
国立がん研究センター 企画戦略局 国際戦略室
郵便番号:104-0045
東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511(代表)
国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室
郵便番号:104-0045
東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511(代表)
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