看護師、薬剤師、栄養士らによる患者さんの療養生活サポートを充実させよう!
クラウドファンディングで寄付募集(6月30日まで)
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院(病院長:西田俊朗、東京都中央区)は、がん患者さんの療養生活をサポートする研究や相談支援に必要な資金を、インターネットで募るクラウドファンディングを6月30日(土曜日)まで実施しています。
近年、新たな治療開発などにより生存率が向上しました。
しかし、「生活の質」は必ずしも十分に改善したとは言えません。「生活の質」の改善を目指したがん患者さんの療養生活のサポートも、外見変化のケア、むくみの対処、リハビリ、栄養相談、薬剤相談、就労・就学支援など多岐にわたります。
そこで、国立がん研究センターでは、2016年9月に「患者サポート研究開発センター(以下、サポートセンター)」を中央病院の8階に開設しました。
サポートセンターでは、看護師、臨床心理士、薬剤師、管理栄養士など、医師だけではなく多職種による新たな連携・サポート体制を構築し、その全国普及のために取り組んでいます。
現在、看護相談、周術期サポート、リンパ浮腫ケア教室など23のプログラムを提供し、毎日120名以上の患者さんにご利用いただいています。
しかし、療養生活をサポートする相談支援などは、診療報酬が伴わないことも多く、120名中約50名は現行の診療報酬制度の基準に合致せず、時に支援の継続が困難なこともあります。
また、患者さんの状況や理解度の把握、患者さんへの説明においてスマホやICTを活用したシステムの構築プロジェクトなど拡大困難な研究もあります。
ぜひ、患者さんの療養生活のサポートを充実させるため、皆様のご支援をお願いいたします。
クラウドファンディング実施概要
実施サイト
https://readyfor.jp/projects/ncchsaposen(外部サイトにリンクします)
実施期間
2018年5月8日から2018年6月30日
目標金額
500万円
注:3千円からのご寄付が可能です。
注:クラウドファンディンによる寄付募集は、2018年6月30日までに目標金額に到達しなかった場合、支援者様へ全額返金となり、そこまで集まっていた寄付金を受け取れないルールです。
寄付金の使途
- 患者さんの療養生活を支援する各種プログラムの充実(下表参照)
- 相談支援の充実
- 研究プロジェクトの実施など
患者サポート研究開発センターの取り組み
プログラム | 開催日 | 担当者 | 実施内容 |
---|---|---|---|
看護相談 | 毎日 | 看護師 | 不安、悩みや困りごとへのサポート、つらい症状を和らげるためのケアについて助言・相談 |
周術期サポート | 毎日 | 医師、看護師、薬剤師、栄養士、 理学療法士、歯科医、歯科衛生士 |
多職種による術前準備のサポート、術前スクリーニングと評価、術前オリエンテーション等の患者指導による手術のイメージ化促進 |
リハビリテーション | 毎日 | 理学療法士 | 術前症例の呼吸・運動指導 化療前・中・後の運動、日常生活指導 |
薬剤師外来 | 毎日 | 薬剤師 | 抗がん剤の効果・副作用・注意事項、臨床試験(治験を含む)などに関する相談 |
栄養相談 | 毎日 | 管理栄養士 | 栄養食事に関する指導 術前外来患者指導 |
アピランス | 毎日 | アピアランス支援室 心理療法士 | アピアランス支援に関する個別相談・個別ケア |
抗がん剤治療教室 | 月1回 | がん化学療法看護認定看護師 | 抗がん剤治療の副作用と自宅での過ごし方、注意点について説明 |
リンパ浮腫教室 | 月3回 | リンパドレナージセラピスト | 治療の影響によるリンパ浮腫の予防やセルフケアのサポート |
脳腫瘍家族テーブル | 年3回 | 脳脊髄腫瘍科関連の多職種 | 脳腫瘍患者の家族の語り合いと心理的支援の場 |
乳がんボディイメージ教室 | 第2・4火曜日 | 形成外科医、 医療ソーシャルワーカー、 乳がん看護認定看護師 |
乳がん手術に伴う乳房再建術に関する教室 |
膵がん・胆道がん教室/サロン | 第3水曜日 | 肝胆膵内科関連の多職種 | 膵がん・胆道がん患者・家族向けの治療・生活・心のケアなどの教室と語り合いの場(サロン) |
外来栄養教室 | 毎週 水曜日 |
管理栄養士 | がん治療中の食事のとり方、治療の副作用(食欲低下、吐き気、口内炎、下痢・便秘など)があるときの食事に関する相談 ESD後の栄養・食事指導 |
AYAひろば | 月2回 | 緩和医療科などのAYAサポートチーム | AYA世代のがん患者が同世代の患者に出会い、集い、話せる場 |
親と子サポート教室 | 月1回 | 緩和医療科 | 子育て中の患者・家族のための支援の場。子供の思い、反応、関わり方など |
リラクセーション教室 | 第1・3 水曜日 |
精神腫瘍科 心理療法士 | リラックスする方法を獲得することで、病気や治療とうまく付き合えることを目的にした教室 |
乳外集団 オリエンテーション |
毎週 月曜・金曜日 |
乳腺外科関連病棟看護師 | 術前オリエンテーションによる手術のイメージ化、スムーズな術前準備 |
研究内容
- 初診時からのスクリーニングおよび継続的なモニタリングを行い、がん診療の様々な局面において発生する現在把握・対処されていない患者のニーズ(Unmet Needs)を調査する。
- そのニーズに応えるための情報提供、多種職のメディカルスタッフが連携して行う種々の介入や体制整備を試験的に行う。
- その結果の客観的な評価に基づき、当院におけるより良いがん診療環境を具現化するとともに、その結果を公表し、他のがん診療を行っている医療機関でのモデルとなる。
場所・利用時間
場所:国立がん研究センター 中央病院 8階
利用時間:午前9時から午後4時(平日)
スタッフ数
専任タッフ30名:看護師9名、メディカルクラーク2名、臨床心理士1名、クラーク1名、医療ソーシャルワーカー10名、事務職員7名
交代制・兼任スタッフ:約10名/日
ホームページ
開設時のリリース
2016年11月8日 国立がん研究センター中央病院「患者サポート研究開発センター」開設
報道関係からのお問い合わせ先
国立研究開発法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室
郵便番号:104-0045
住所:東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511(代表)
ファクス番号:03-3542-2545
E-mail:ncc-admin●ncc.go.jp(●を@に置き換えてください)