がん医療・研究を支える薬剤師を養成し、新薬の開発研究でも連携星薬科大学と国立がん研究センター包括連携協定を締結
2018年7月25日
星薬科大学
国立研究開発法人国立がん研究センター
星薬科大学(学長:田中 隆治/所在地:東京都品川区)と国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉/所在地:東京都中央区)は、教育・研究・医療活動の連携を促進する包括連携協定を2018年7月25日に締結しました。これまで、星薬科大学と国立がん研究センターは、薬学の観点からがん治療解明に向けた多くの共同研究を行ってきました。こうした長年の共同研究を経て、両機関は、我が国が直面している超高齢社会を克服するためには、新規がん治療法の開発およびがん支持療法を発展させる基礎研究者や薬剤師の養成が必要であることを強く認識し、本協定の締結に至りました。これにより、両機関間でさらなる人材交流および共同研究の促進ならびに、新たなキャリアパスの確立などが期待され、これまで以上に盤石な共同体制が確立されます。本協定のもと、星薬科大学と国立がん研究センターは、相互にがん医療や薬学領域の専門知識を培い、基礎・臨床融合研究を実現し、高度化するがん、緩和医療・研究を支える薬剤師の養成や、新規がん治療法ならびに新薬開発に取り組んでまいります。
左)星薬科大学 学長 田中 隆治
右)国立がん研究センター 理事長 中釜 斉
本協定の特徴
研究者や薬剤師・医師をはじめとする他医療職などの幅広い職種間での連携を図ることで研究・教育の発展と、それに携わる若手の育成に両施設が取り組みます。
本協定は、包括連携による研究・教育のコラボレーションとして、共同研究の強化はもとより、国立がん研究センター研究所所属職員及び中央病院薬剤部所属薬剤師のキャリアサポート体制の構築、星薬科大学教員の研究スキルの向上、ならびに学生派遣による未来の薬剤師の養成を行います。こうした包括的共同体制を実施することで、人事交流を活性化し、臨床課題に即した実践的な基礎・臨床融合研究が展開されていくことが期待されます。さらに、がんの病態に基づいた新規がん治療法の開発、TR・臨床研究など、多層的な新薬開発を行います。
また、星薬科大学においては、国立がん研究センターの薬剤師やその他職員等を大学院生として受け入れる連携大学院制度の導入を進め、星薬科大学において博士号(Ph.D.)の取得がスムーズにできるようにします。また、国立がん研究センターの若手・中堅研究者や薬剤師・医師が、星薬科大学の兼任教員として併任することで、アカデミックキャリアの経験を積むことができ、さらには、向上心が高く、質の高い薬剤師レジデント及びスタッフのリクルートに繋がることが期待できます。一方、星薬科大学の学生は、国立がん研究センターのエキスパートによる講義を受けることができ、また、国立がん研究センターにおける研修への参加が可能となり、通常の実務実習では体得できない高度な専門的知識を培うことができます。こうした研究・教育を行うことによって、高度化する医療を支えることのできる優れた能力をもった人材の育成が期待できます。
患者に貢献するための研究や創薬はさまざまな分野のエキスパートの密接な連携なくしては成立しません。国立がん研究センターの、基礎医学、臨床医学の充実さに加え、専門性を有する星薬科大学の薬学領域が融合することにより、充実した研究と教育が円滑に進むことが期待されます。
法人概要
星薬科大学について
星薬科大学の創立者である星一(ほし はじめ)は、「日本は世界一の製薬国になり得る国である。薬は文化の母であるから日本は世界一の良い薬をつくり、これを世界に供給していくことが、日本の文化的使命である」との強い信念を持ち、1911年に星製薬株式会社を設立しました。星製薬株式会社は、モルヒネ等の日本での工業的生産に成功し、これらを世界に輸出し、国産医薬品の国際的供給に先鞭をつけました。こうした信念を成就するために星一は「一に人、二に人、三に人、万事人なり。」と人材の育成が大切であるとし、「本学は、薬学を通じて、世界に奉仕する人材育成の揺籃である。」を建学の精神とする星薬科大学が創設されました。
星薬科大学では、薬剤師を養成するための薬学科においては、多岐に亘る臨床の分野において、チーム医療や地域医療に必要な実践的な技術・技能を有し、教育理念である「親切第一」の理念のもと、思いやりをもって患者へ奉仕する人材の育成を目指しています。また、創薬科学科においては、研究者・技術者としての探求心、独創性、改善力を有し、生命・健康を科学し、患者の治療を目指して、創薬等の研究開発や、医薬等の製造に従事する人材の育成を目指しています。
国立がん研究センターについて
国立がん研究センター公式ホームページ国立がん研究センターは、1962(昭和 37)年にわが国のがん医療の拠点となる国立機関として創設されて以来、がんの病態解明と治療開発に向けた先端的な研究を行い、臨床試験による標準治療の確立と普及、サバイバーシップ支援、専門的な医療従事者の養成等で中心的な役割を担ってきました。
2010(平成 22)年に独立行政法人化し、2015(平成 27)年には大学又は民間企業が取り組みがたい課題への取り組みを強化し、研究開発成果の最大化を目指す「国立研究開発法人」へ移行しました。
これまでに国立がん研究センターは、医学部を有する多くの大学との連携大学院協定を締結しています。しかしながら、薬学部や薬科大学との包括的な連携は今回の締結が初めてとなります。薬学分野で研究を進め、高度な薬学知識を持つことが期待される薬剤師にとっても、本締結は、そのキャリアパスをさらに拡げることのできる環境となると確信しています。
報道関係のお問い合わせ先
星薬科大学
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国立研究開発法人 国立がん研究センター
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