希少がんの研究開発・ゲノム医療を産学共同で推進する中央病院の「MASTER KEY プロジェクト」 京都大学医学部附属病院が西日本の研究拠点として参加
国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、所在地:東京都中央区)中央病院(病院長:西田俊朗)は、希少がんの研究開発およびゲノム医療を推進する産学共同プロジェクト「MASTER KEYプロジェクト(Marker Assisted Selective ThErapy in Rare cancers: Knowledge database Establishing registrY Project)」を2017年5月から開始し、既に200人以上の希少がん患者さんの診療情報をデータベース化し、11社の製薬企業と共同で治験を実施しています。
この度、「MASTER KEYプロジェクト」を全国展開しより多くの希少がん患者さんの手に届くプロジェクトにするため、京都大学医学部附属病院が西日本の研究拠点として本プロジェクトに参加し、同院でのレジストリ研究への登録を8月より開始します。今後、同院患者さんの医師主導治験・企業治験への参加も準備を進めてまいります。
本プロジェクトへの医療機関の参加は初めてで、北日本、南日本の医療機関の参加も現在調整を進めています。
「MASTER KEYプロジェクト」とは
希少がんは、一つ一つのがんの患者数が少ないため、これまで標準治療が十分に確立されておらず、臨床試験もあまり行われてこなかったため、希少がんの患者さんにとっては新しい薬を受けられる機会が限られていることが問題となってきました。「MASTER KEYプロジェクト」は、この世界共通の課題に国立がん研究センターと製薬企業が共同で取り組み、希少がんの患者さんに、より早く、より多くの新薬を届けることを目指しています。
「MASTER KEYプロジェクト」は、大きく二つの取り組みから成ります。一つは、希少がん患者さんの遺伝子情報や診療情報、予後データなどを網羅的に収集し、研究の基礎データとなる大規模なデータベースを構築するレジストリ研究です。このレジストリ研究により、これまで十分に調べられてこなかった希少がんの遺伝学的背景や病理学的特性が明らかになり、バイオマーカー探索や薬剤開発に役立てることができると期待しています。レジストリ研究は昨年2017年5月より開始し、既に1年間で200人以上の患者さんにご登録いただいています。
もう一つは、レジストリ研究の情報に基づいて行われる医師主導治験・企業治験です。これらの治験では、バスケット型デザインと呼ばれる新しい手法を用い、がん種を限定せず特定のバイオマーカー(遺伝子異常・蛋白発現等)を有する患者さんの集団に対して、そのバイオマーカーに適した薬剤を投与します。これらの治験を通じて、本プロジェクトに参加いただいた患者さんは自らのがんの特性にあわせた様々な新薬を受ける機会を得られると期待しています。
参考
- 「MASTER KEYプロジェクト」サイト
- 2017年7月31日プレスリリース
希少がんの研究開発・ゲノム医療を産学共同で推進「MASTER KEYプロジェクト」開始
お問い合わせ先
国立研究開発法人国立がん研究センター
患者様
- がん相談支援センター
電話番号:03-3547-5293 - 希少がんセンター
電話番号:03-3543-5601
報道関係者
- 中央病院 臨床研究支援部門
研究企画推進部 臨床研究支援室
郵便番号:104-0045
住所:東京都中央区築地5-1-1
電話番号:03-3542-2511 - 国立研究開発法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室
電話番号:03-3542-2511(代表)
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