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国立がん研究センター

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東病院 レディースセンター開設

幅広い年齢層の女性がん患者さんが安心し、治療を受けられる環境を実現するために
東病院 レディースセンター開設

2018年9月19日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉)東病院(院長:大津敦、所在地:千葉県柏市)は、幅広い年齢層の女性がん患者さんが安心し、かつ日常ならびに社会生活の大きな変化を強いられることなく治療を受けられる環境を実現するためレディースセンターを開設します。レディースセンターでは女性がん患者さんが抱える悩みを丁寧にヒアリングし、課題を抽出し適切な部署へ迅速に繋ぐための総合的な窓口として、「女性看護外来」を2018年8月より病院棟2階に設置しました。女性看護外来では、診療科を通じてサポートが必要な患者さんの相談依頼に対し、横断的なサポートができるよう、多職種によるカンファレンスを定期的に開催し、適切でスムーズな対応を進めていきます。また、レディースセンター開設に伴い、地域や国内医療機関との間で、診療のみならず人材育成プログラムの実施により、国内外のレディースセンターのモデルケースとなり、その充実と普及を目指していきます。

背景

乳がんや子宮頚がんなどの婦人科腫瘍など女性特有のがんの罹患率の上昇が認められますが、その他の悪性腫瘍においても女性がん患者さんの比率は増加傾向にあります。それぞれの疾患の治療はエビデンスに基づいた最適な治療の提供を行うだけにとどまらず、治療方針決定や治療中および治療後の経過においても、女性がん患者さん特有の身体的、精神的および社会的なサポートが必要になります。これらを実現するには医師だけでなく、職種を超えた幅広い専門職による有機的な連携が必要です。しかし、国内のがん専門病院で女性がん患者さんを対象として、最適な治療提供からサポートを担うレディースセンターはありませんでした。当センターは各職種のがん治療に関する実績やノウハウ、ヒューマンリソースが豊富で、これらのリソースを統合し世界的にも卓越したレディースセンターを実現する基盤はあり、その準備も進めてきました。そこで、東病院内にレディースセンターを開設し、地域や国内医療機関との間で、診療のみならず人材育成などの点でも連携を図ることで、幅広い年齢層の女性がん患者さんが安心し、かつ日常生活ならびに社会生活の大きな変化を強いられることなく、治療を受けられる環境を実現することを目指します。女性がん患者さんのサポートは重要であり、その意義、その具体的な方法論の普及など、社会的な意義も大きく、当センターの役割は重要であると考えられます。

レディースセンターの概要

レディースセンターでは女性がん患者さんの治療方針、ぞれぞれの背景や問題点を把握し、関連する診療科や多職種が有機的に連携を図ることを目的に、手術療法、薬物療法および放射線療法を提供する各診療科に加えて以下の業務を行うセクションを設置して対応をします。下記の対応は通常の保険診療の範囲で実施されており、これらを女性がん患者さんに対し有機的に実施できる体制を構築したものです。

  1. 妊孕性相談・対応
  2. 小児、AYA世代を含む若年女性がん患者さんのサポート
  3. 社会的支援ならびにアピアランス相談・支援
  4. 遺伝カウンセリング
  5. リンパ浮腫を含むリハビリテーションの必要性の相談・評価と対応
  6. 薬物療法などの副作用に関する相談

レディースセンターでは、それぞれの女性がん患者さんに対応する女性看護外来の担当者を設置して、問診やアンケートなどから個々の患者さんが持つ疾患、背景の特徴と問題点の把握を行い、関連する診療科等と連携して、上記の相談や支援の必要性などを検討して適切に対応します。また複数の対応が必要な場合も少なくないため、各セクション間の連携も強化するため、各セクションの担当者と女性看護外来の担当者が定期的に多職種カンファレンスを開催し、対応や連携を協議し、適切でスムーズな対応を進めていきます。利用を希望される場合は主治医や担当看護師に申し出て頂くと、各診療科から女性看護外来へおつなぎします。また、レディースセンター開設に合わせて東病院内に、『柏の葉サロン ~あなたらしさを支えます~』の名称で患者サロンも新装・開設し、カバーメイク教室、肌と爪のケア教室、薬教室、ピアサポーターズサロンなどを開催・実施します。これらのサービスや教室は無料(膵がん教室のみ、参加料100円の実費がかかります)で受けることが可能で、開催日などは東病院HP「患者教室のご案内」で事前にご確認ください。なお、柏の葉サロンは男性も利用可能です。

あなたらしさを支えます 国立がん研究センター東病院レディースセンター

今後の展望

国内のがん専門病院初のレディースセンターとして、開設理念「女性がん患者と寄り添うすべての人々の“ライフ”をサポートする」、将来像「女性がん患者の“その人らしさを支える”最適な医療とサポートを提供する卓越したレディースセンターになる」の2つの目標を掲げ、その実現に向けて歩みを進めていきます。女性がん患者さんに最適な医療とサポートの提供をすることに加え、職種を超えた専門性の高い人材育成プログラムの実践により、国内外のレディースセンターのモデルケースとなり、その充実と普及を目指していきます。

報道関係からのお問い合わせ先

国立研究開発法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室
郵便番号:277-8577
千葉県柏市柏の葉6-5-1
電話番号:04-7133-1111
ファクス番号:04-7130-0195
メールアドレス:ncc-admin●ncc.go.jp(●は@に置き換えてください)

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