家族のたばこについて国民意識アンケート調査報告書公表
2019年5月31日
国立研究開発法人国立がん研究センター
国立研究開発法人 国立がん研究センター(理事長:中釜斉、所在地:東京都中央区、略称:国がん)がん対策情報センターたばこ政策支援部は、家族のたばこについて国民意識アンケート調査を行い、その報告書をまとめましたのでご案内します。
たばこによる健康への悪影響は科学的に明白です。受動喫煙の他者危害性やニコチンの依存性を踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、生活習慣病を予防する上で、たばこ対策は公衆衛生の重要な課題になっています。たばこは、本人の健康を損なうだけなく、家族など周りの人の健康にも悪影響を及ぼします。
そこで、国立がん研究センターでは、世界禁煙デーを前に、家族の喫煙について国民の意識や認識の把握を目的として調査を行い、5月31日の世界禁煙デーに合わせて、調査結果を公表いたします。
調査概要
実施期間
平成31年3月22日(金曜日)から3月27日(水曜日)
実施方法
インターネット・アンケート調査(株式会社ネオマーケティングへ委託)
回答者
成人 2000名(性別・年代別の回収数は結果報告書の表1のとおり)
うち、喫煙者(毎日吸っている/時々吸う日がある)1,000名
非喫煙者(吸わない)1,000名
(注)性別、年齢別、喫煙状況の実際の比率に合わせて結果を調整しています。
調査項目
- 配偶者のたばこについて
- 喫煙する子どものたばこについて
- 子どもが20歳以上になったときのたばこについて
- 将来の結婚相手のたばこについて
調査者
国立がん研究センター がん対策情報センター たばこ政策支援部
調査結果概要
- 配偶者が「毎日吸っている」「時々吸う日がある」人のうち、たばこを「やめてほしい(禁煙してほしい)」と思っている人は61%であった。(図1)
- たばこを吸っている子どもがいる親では、子どものたばこを「やめてほしい(禁煙してほしい)」と思っている割合は75%だった。(図2)
- 未成年の子どもがいる親では、子どもが20歳以上になったときに「絶対、たばこを吸わせたくない」または「できれば、たばこを吸わないで欲しい」と思う回答は82%に上った。(図3)
- 配偶者がいない人が、結婚する場合の相手について、「絶対、たばこを吸わない人が良い」「できれば、たばこを吸わない人が良い」と思う割合は70%で、たばこを結婚の条件にする意見が多かった。(図4)
図1 (既婚者対象)配偶者の喫煙について
図2 成人喫煙者の親からみた「子の喫煙」について
図3 未成年の子どもの将来の喫煙について
図4 独身者が思う、結婚相手のたばこについて
補足説明
世界保健機関(WHO)が、今年の世界禁煙デーに際して発信した主要メッセージ(Key messages)は、以下の通りです。
- 2017年の1年間に、世界で800万人以上が、たばこが原因で亡くなっている
- 2010年の750万人から、たばこの犠牲者数が増加している
- 約半数が70歳を迎える前に、早世している(48%、390万人)
- 約700万人は、本人自身の喫煙によるもの
- 2017年の1年間に、およそ120万人が、受動喫煙が原因で亡くなっている
- 約半数の60万人が女性
5%の6万5千人は、15歳未満の子どもたち 受動喫煙による他者危害性については、科学的に明白となっています。わが国でも、受動喫煙によって毎年1万5千人が亡くなっていると推計されています。家庭内の喫煙は、受動喫煙の主要因の一つとなっています。
アンケート調査の回答者について
上述の【調査概要】のとおり、本調査ではインターネット・アンケート調査により実施しています。「インターネット調査」には、(1)インターネット画面上で回答する、(2)調査対象が登録モニターである、という二つの特徴があります。前者は「測定誤差」、後者は「サンプリング・バイアス」の規定要因となり調査結果の誤差に影響を与える可能性があります。そこで委託先に、広範なカバレッジの中から確率的に回答者を集める方法が採られていること、モニターの募集、管理が適切になされ、質の確保がなされていることを確認しています。また、サンプリング・バイアスについては、性別、年齢別、喫煙状況の比率にあわせてウェイトバックを行い調整しています(調整については結果報告書の表2、3のとおり)。
参考資料
報道関係からのお問い合わせ先
国立研究開発法人国立がん研究センター
郵便番号:104-0045
住所:東京都中央区築地5-1-1
企画戦略局 広報企画室
電話番号:03-3542-2511(代表)
ファクス番号:03-3542-2545
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