がん患者の自分らしい生活を支援アピアランスケア集中実施ケア方法解説リーフレット作成、医療者による相談会を実施
国立研究開発法人国立がん研究センター
横浜市では、平成26年10月に施行された「横浜市がん撲滅対策推進条例」に基づき、がん対策に関わる様々な取組を実施しています。
このたび、がん患者が自分らしく生活することを支援するため、アピアランス(外見)ケアを推進する取組として、国立がん研究センター中央病院及び市内医療者の協力により、ケアの方法を解説したリーフレットを「医療の視点」のデザインコンセプトのもと作成しました。さらに、当リーフレットを用いて、がん患者及び家族を対象に、アピアランスケアに関する相談会を市内がん診療連携拠点病院等にて実施します。「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」や「乳がん月間」であり、がんへの関心が高まる10月に時期を合わせ、がん患者への支援に集中的に取り組みます。
アピアランスケアとは?
国立がん研究センター中央病院外見関連患者支援チーム(平成17年から24年、現アピアランス支援センター)が作成した言葉で、がん治療による外見の変化に対し医療者が行うケアを指します。単に変化前の外見に戻すのではなく、自分らしく生きられるよう、外見とともに周りの環境や患者本人の気持ちを整えるサポートをします。
国立がん研究センターが実施した調査では、外見に現れる身体症状が、医療者の予想以上に抗がん剤治療中の患者に苦痛をもたらしていることがわかりました。治療を受けながら仕事や家事を行う人も増えている中、外見が変わることで、人に会うことが苦痛に思えるなど社会生活が困難となる場合が少なくないため、アピアランスケアにより「患者と社会をつなぐ」ことが重要となっています。
横浜市は、これまでにもアピアランスケアを積極的に推進するため、平成28年度からウィッグ購入費助成を開始、平成29年から30年度には、国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センターから講師を招き、市内がん診療連携拠点病院等の医療者へのアピアランスケア研修を実施しました。がん治療の知識に基づく実践的なケアを学んだ研修修了者は、10病院に22人おり、各病院での患者支援に取り組んでいます。
アピアランスケア研修の様子
- 男性や小児にも行える実践的なケアを習得
- 美しさではなく、社会とつながるためのケア
実施内容
リーフレット作成
今までアピアランスケアについての患者向けの資料は、ウィッグや化粧品等のパンフレットが多く、医療者の立場から作成されたものはほとんどありませんでした。そこで、特に患者が悩むことの多い4か所(髪、爪、肌、眉毛・まつ毛)のケア方法について、横浜市、横浜市内でアピアランスケアに取り組む医療者、国立がん研究センター中央病院の3者の協力によりリーフレットを作成しました。各病院でのがん患者及び家族への説明や、相談会(下記参照)にて、10月4日(金曜日)から使用開始します。
本取組は、民間企業等との連携による手法で医療広報を実施する「医療の視点」プロジェクトの一環として統一的なデザインにしています。
リーフレットは下記URLよりダウンロードできます。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/iryo/gan/taisaku/appearance.html(外部サイトにリンクします)
相談会実施
市内がん診療連携拠点病院等にて、相談会を10月に実施します。がん患者及び家族から、アピアランスケアに関する様々な相談を受け付けます。対象者や事前予約の必要有無など、詳細は下記URLよりご確認ください。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/iryo/gan/taisaku/appearance.html(外部サイトにリンクします)
病院名 | 実施日時問 | 問合せ先 |
---|---|---|
済生会横浜市東部病院 |
2019年10月7日(月曜日) 2019年10月21日(月曜日) 2019年10月28日(月曜日) |
045-576-3000(代表) |
昭和大学横浜市北部病院 |
2019年10月17日(木曜日) 2020年1月16日(木曜日) |
045-949-7205(がん相談支援センター) |
横浜市立市民病院 |
2019年10月24日(木曜日) |
045-331-1961(代表) |
横浜市立みなと赤十字病院 |
平日 9時00分から16時30分 |
045-628-6317(がん相談支援センター) 045-628-6100(代表) |
横浜市立大学附属市民総合医療センター |
2019年10月4日(金曜日) |
045-261-5656(代表)内線7801 |
済生会横浜市南部病院 |
教室 2019年10月7日(月曜日) 個別相談 平日 9時00分から16時00分 |
045-832-1111(代表) がん相談支援室まで |
横浜南共済病院 |
2019年10月25日(金曜日) |
045-782-2101(代表) 内線1151:外来化学療法室 |
神奈川県立がんセンター |
平日 9時00分から17時00分 (受付時間 9時00分から16時00分) (注:10月に限らず平日実施) |
045-520-2211(がん相談支援センター) (受付時間 9時00分から16時00分 ) |
注:がん診療連携拠点病院等では、がん患者及び家族の必要に応じて随時、対応をしています。
参考
医療の視点
「医療への視点が少し変わることで、異なる気づきが得られ、行動につながる」をコンセプトに昨年9月から取組をスタートしています。民間企業等との連携や、市民の皆様の関心事にフォーカスすることで、より印象に残りやすく、伝わりやすい広報に様々な切り口で取り組んでいます。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/iryo/iryonoshiten/iryonoshiten.html(外部サイトにリンクします)
国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター
アピアランス支援センターは、がんやがん治療による外見変化に悩む患者さんの相談に応じ、自分らしく日常生活を送れるようサポートする部門です。平成25年に独立部門となり、外見の悩みを解決するための研究や教育活動にも取り組んでいます。
お問合せ先
横浜市のアピアランスケアに関すること
医療局がん・疾病対策課長
古賀 美弥子
電話番号:045-671-2957
アピアランスケアに関すること
国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター長
野澤 桂子
電話番号:03-3542-2511
医療の視点に関すること
医療局医療政策課情報企画担当課長
小川 亨
電話番号:045-671-4813