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国立がん研究センターと旭化成 がん治療を目的としたCAR-T細胞療法の開発に関する共同研究契約の締結について

2023年9月20日
国立研究開発法人国立がん研究センター
旭化成株式会社
In English

概要

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、以下「国立がん研究センター」)と旭化成株式会社(代表取締役社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)は、キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞(CAR-T細胞注1)療法の開発に関する共同研究契約を締結しました。

本共同研究において、国立がん研究センター研究所(所長:間野 博行)腫瘍免疫研究分野 (分野長:西川 博嘉)のグループにて培われたベクター、細胞療法用製剤製造技術、免疫解析技術と、旭化成グループのもつバイオ医薬、再生医療等製品の製造技術を融合し、血液がんのなかでも予後不良のT細胞腫瘍や従来の免疫療法で効果の得られない固形がんに対するCAR-T細胞療法の早期実用化を目指します。

研究内容

国立がん研究センター研究所は、血液がん、固形がんに対する主に3つのCAR-T細胞療法パイプラインを有しており、一部では治験の準備を進めています。本共同研究においては、これまで培われたベクター、細胞製造、免疫解析の技術を旭化成へ移管し、シーズの共同研究開発とCAR-T細胞療法の製造販売承認に必要なGMP/GCTP注2に準拠した細胞製造、供給、品質管理法を確立することで、市販後の医薬品開発製造受託機関(CDMO)注3での製造へとつなげます。また、中長期的には、本共同研究の取り組みを発展させてアジアを中心とした世界の再生医療等製品の製造供給と研究開発のハブとしての役割を果たしていくことを目指します。

旭化成グループはバイオ医薬に関する製品開発と販売の実績、および再生医療等製品の製造技術を有しています。旭化成はこれまでの知見を活かして国立がん研究センターとの本共同研究を推進し、CAR-T細胞療法の実用化に向けた製造技術の確立に貢献します。

用語解説

注1) CAR-T細胞

Chimeric antigen receptor-T cell(キメラ抗原受容体遺伝子改変T細胞)のこと。腫瘍を認識しT細胞の活性化を誘導する一本鎖の人工受容体(CAR)を遺伝子改変技術によりT細胞に導入したもの。悪性リンパ腫、急性リンパ性白血病、多発性骨髄腫など一部の血液がんに対するCAR-T細胞製剤の有効性が証明され、上市されています。

注2) GMP/GCTP

Good Manufacturing Practice (医薬品の製造管理及び品質管理の基準)/Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practice(再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準)のこと。各国の規制当局が定め、日本では厚生労働省令によるものです。患者用CAR-T細胞製造には同省令に定める製造管理と品質管理法に準拠した製造・供給が求められます。

注3) 医薬品開発製造受託機関(CDMO)

Contract Development and Manufacturing Organization(医薬品開発製造受託機関)のこと。医薬品製造工程の開発から、治験薬や商業生産を受託する機関や事業者を指し、ここでは、製薬会社から製造法確立、品質保証と製造部分の委託を想定しています。

 

お問い合わせ先

研究に関するお問い合わせ

国立研究開発法人国立がん研究センター
研究所 腫瘍免疫研究分野
渡邊 慶介
電話番号:03-3542-2511(代表)
Eメール:keiswata●ncc.go.jp

報道関係者からのお問い合せ

国立研究開発法人国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室
電話番号:03-3542-2511(代表)
Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp

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