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研究プロジェクト
深層生成モデルによる細胞状態ダイナミクスの推定
一細胞トランスクリプトーム観測をはじめとしたオミクス観測の大部分は、侵襲的な観測となっておりスナップショットの観測のみが得られます。我々は、スプライシング数理モデルと深層生成モデルの統合により、細胞状態の確率的なダイナミクスを復元するための方法論を開発しています。これにより、悪性度の高い腫瘍細胞が生成する過程で働く分子機構の探索等、細胞の状態遷移の分子機構を解明することで、がんの進展を阻止するための分子介入の提案を目指します。
一細胞レベルの共局在解析による細胞間相互作用の解明
細胞間の相互作用とその分子機構を捉えることは、がん治療の標的を探索する上で重要な課題です。我々は、空間的な解像度をもつトランスクリプトーム観測と一細胞トランスクリプトーム観測とを深層生成モデルを用いて統合することで、細胞間の共局在関係と相互作用分子機構の推定を行う解析手法を開発しました。我々は、細胞間相互作用を空間オミクスからデータ駆動的に解明する方法論の開発を通して、がん治療のターゲットとなりうる相互作用を網羅的に捉えます。
細胞内オミクス観測に対する情報解析技術の開発
近年、空間オミクス観測の解像度が大幅に改善しつつあり、細胞内部の分子プロファイルの網羅的な空間分布が取得可能になりつつあります。その一方で、Subcellular解像度のオミクスプロファイルを扱える情報解析技術は、まだほとんど登場していません。我々は、このような観測データに対して、深層学習技術の活用により、立体的な空間パターンの再構築技術などの開発を行っています。これにより液-液相分離等により生じる細胞内部のコンパートメントの分子プロファイルを解明します。