平成13年度 第10回 遺伝子解析研究倫理審査委員会 議事要旨
開催日
平成14年2月12日(火曜日)15時から18時
出席委員
塚田、馬場、山口(委員長)、吉野
事務局
千村、関根、太田、田仲(記録)
審査課題件数
5件(承認1件 再審査不要(委員長に一任)1件 差戻し3件)
議事
1.第9回議事要旨
2.報告課題(2課題)について
1.課題番号G13-01(再々審査)
- 課題名:痴呆の易罹患性に関わるSNPs等遺伝子多型の同定とその臨床応用を目指す研究
- 申請者および所属:吉田 輝彦(国立がんセンター研究所)
- 概要:既提供試料(第二群)を連結可能匿名化で用いる研究
- 判定:条件付き承認(試料等の提供を受けた共同研究機関において再同意を得る努力がなされていることを定期的に確認しつつ研究を進めることを承認の条件とする。)
2.課題番号G13-04(再々審査)
- 課題名:「胃炎および胃がんの危険因子に関する国際共同研究」における胃がんに関連するSNPsの地理的分布についての生態学的横断面研究
- 申請者および所属:津金 昌一郎(国立がんセンター研究所)
- 概要:既に連結不可能匿名化となっている既提供試料(1991年に行った「胃炎および胃がん危険因子に関する国際共同研究」の参加200名の末梢血白血球DNA)を用いて行う研究
- 判定:承認
3.審査課題(5課題)
1.課題番号G13-03(再々再審査)
- 課題名:多内分泌腺腫瘍症1型およびその類縁疾患の原因遺伝子の変異解析
- 申請者および所属:塚田 俊彦(国立がんセンター研究所)
- 概要:
- 新規提供試料(血液および切除組織)および診療情報を用い、匿名化をせずに行う研究。
- 遺伝子解析結果を含む診療情報を用い、連結可能匿名化で行う研究。
- 健常対照者の新規提供試料(血液)を用い、連結不可能匿名化で行う研究。
- 判定:承認
2.課題番号G13-06(再審査)
- 課題名:抗がん剤の有害事象または薬物動態に関わる遺伝子多型性の検索 5-FU系抗がん剤
- 申請者および所属:松村 保広(国立がんセンター中央病院)
- 概要:新規提供試料(血液)を用い、連結可能匿名化で行なう研究
- 判定:再審査不要(委員長に一任)
- 主たる意見:
- 字句の訂正等が必要である。
3.課題番号G13-07(新規)
- 課題名:HNPCC(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)の登録と遺伝子解析プロジェクト 第2次研究
- 申請者および所属:森田 宜皓(国立がんセンター中央病院)
- 概要:新規提供試料(血液)を用い、連結可能匿名化で行う研究
- 判定:差戻し
- 主たる意見:
- ほかの機関から倫理審査が国立がんセンターに委託されてきたときの手続きに関すること。
- 本研究計画に関連して、共同研究機関で承認された研究計画についての情報を求める。
- HNPCC遺伝子解析結果報告書の登録担当医、主治医あての発行方法を詳細に記載すること。
- 匿名化(暗号化)がなされるようにした上で、守秘義務を誰がどのように負うのか試料等提供者向けに明記すること。
- 未成年者に対する試料等提供依頼の方法、結果の開示の手続きが不明瞭である。特に、16歳以上の未成年者本人の意思が尊重される必要がある。
4.課題番号G13-08(新規)
- 課題名:アルコール代謝関連酵素の遺伝子多型と肺がんのリスク
- 申請者および所属:西脇 裕(国立がんセンター東病院)
- 概要:新規提供試料(健常対照DNAおよびアンケート)、既提供試料(肺がんデータベース)を用い、連結可能匿名化で行う研究
- 判定:差戻し
- 主たる意見:
- 連結可能匿名化で行う研究であるにもかかわらず、試料等提供者への遺伝情報の開示は不可能とする理由が不明である。
5.課題番号G13-09(新規)
- 課題名:家族性大腸腺腫症に合併した胃癌症例のAPC遺伝子異常の解析
- 申請者および所属:関根 茂樹(国立がんセンター研究所)
- 概要:既提供試料を用いる症例研究
- 判定:差戻し
- 主たる意見:
- 本研究における症例数が不明である。
- 本研究によってAPC遺伝子の生殖細胞変異が同定された場合の対処法について明記すること。