分譲について
試料の分譲について
国立がん研究センターバイオバンクでは、令和7年度より研究用採血試料(DNAおよび血漿)の分譲を開始することになりましたのでお知らせいたします。
図―1: 分譲の流れ
詳細情報
1.バイオバンク試料の分譲について
当バイオバンクでは、令和7年度から研究用採血血液からの試料(DNAおよび血漿)の分譲を開始することになりました。バイオバンクの試料・情報を用いて研究を実施する際に、その研究成果や派生する知的財産の帰属の点で、分譲という形で配布を希望される研究者が増えており、そのような要望への対応とした試料の有償提供です。
2.バイオバンク試料と分譲の内容
分譲対象となる試料は、研究採血からの血漿、DNAのほか、各試料に付随する性、年齢、主要病名のバイオバンク情報も併せて提供いたします。
また、性・年齢・主要病名以外の情報で、カタログデータベースに登録されている表2に示される情報は有償にて選択可能です。なお、カタログデータベースに登録されている以外の情報を追加で調べることはできません。
項目名 |
---|
当該腫瘍初診日 |
診断日(発端日、他施設診断日、自施設診断日) |
診断名コード、テキスト |
組織診断名コード、テキスト |
部位の側性 |
症例区分 |
外科的治療の有無(有の場合、その施行日) |
体腔鏡的治療の有無(有の場合、その施行日) |
内視鏡的治療の有無(有の場合、その施行日) |
外科的・体腔鏡的・内視鏡的治療の結果 |
放射線治療の有無 |
化学療法の有無 |
内分泌療法の有無 |
ステージ(治療前・UICC) |
治療前のステージ(主要5部位) |
TNM分類(UICC)T分類、N分類、M分類 |
ステージ(術後病理学的・UICC) |
pTNM分類(UICC)pT分類、pN分類、pM分類 |
進展度(治療前、術後病理学的) |
分化度 |
診断根拠 |
問診票(初診日、初診時年齢、性別、生年月、身長、体重) |
既往歴(がん、発症年齢、現在治療) |
既往歴(高血圧、発症年齢、現在治療) |
既往歴(糖尿病、発症年齢、現在治療) |
既往歴(高脂血症、発症年齢、現在治療) |
既往歴(脳卒中、発症年齢、現在治療) |
既往歴(心臓病、発症年齢、現在治療) |
既往歴(肝臓病、発症年齢、現在治療) |
既往歴(腎臓病、発症年齢、現在治療) |
手術歴、手術年齢 |
アレルギー(喘息、湿疹、蕁麻疹、アトピー、花粉症、その他、薬物、食物、環境の変化) |
家族歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞) |
家族歴(がん、続柄(祖父母、父母、京大姉妹)) |
喫煙歴(合計100本以上、現在喫煙、喫煙中止年齢、喫煙開始年齢、喫煙本数(平均)) |
飲酒歴(日本酒、焼酎・泡盛、ビール、ウィスキー/ブランデー、ワイン、その他のお酒) |
3.申し込み
分譲審査申請
まず、分譲に希望の申し出をNCCバイオバンク事務局までご相談ください(図1(1))。
相談内容に沿った試料について確認させていただき、その結果をお知らせします(図1(2)、(3))。
その結果を受けて分譲を希望する場合は、分譲審査委員会に必要な下記の『バイオバンク試料の分譲審査申請書』(1部)および『IRB承認通知』(写し1部)をメールまたは郵送にてバイオバンク事務局へお送りください。
なお、『IRB承認通知』とは、分譲検体を用いる研究についての申請者所属機関等のIRB承認通知書もしくは研究許可書に相当します。研究についての倫理審査については、申請者の責任において行ってください。
必要書類
様式番号 | 様式名 | 部数 | From ダウンロード | |
---|---|---|---|---|
(1) | 様式2-2 | バイオバンク試料の分譲審査申請書 | 1 | Word(Word:53KB) /PDF(PDF:675B) |
(2) | ー | IRB承認通知(申請者所属機関様式) | 1 | 写し |
郵送先
〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1
国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 バイオバンク事務局
メールでのご提出
国立がん研究センター 研究所バイオバンク事務局
【Eメール】biobank_office●ml.res.ncc.go.jp
4.分譲審査委員会・分譲に関する契約(MTA)・データの管理について
分譲の審査依頼を受けて、NCCバイオバンク分譲審査会で分譲可否の審査を行います(図1 (5))。
- 分譲審査委員会では下の事項について審査します。
- 研究の目的の妥当性
- 研究内容の妥当性
- 分譲する試料・情報の妥当性及び適格性
- 分譲を希望する研究機関の研究実施体制の妥当性及び適格性
- その他分譲に必要な事項
- 判断結果は、結果の如何に関わらず事務局からご連絡いたします(図1 (7))。
- また、分譲可の判断の場合は、MTAの締結手続きへ進み、当センターの産学連携・知財戦略課から連絡させていただきます。((図1 (9))
以下はがんセンターがMTAとして要求する事項を参照するためのNCCひな形であり、詳細は知財部との相談で決定されます。
『バイオバンク試料の分譲に関する契約書MTAv3_20250423Fix.pdf』(PDF:680KB)
なお、分譲した試料・情報から得られたデータの管理については、以下の注意点にご留意のうえご利用ください。
- ゲノムデータ、オミックス解析データ等のデータの管理については、信頼できる公的なデータベースにのみ登録をお願いいたします。登録については事前にバイオバンク事務局(下記、MTAに関する窓口)にご連絡のうえ協議が必要ですので予めご了承ください。
- 研究成果を公表する際は、バイオバンクから分譲された試料・付随情報を用いた旨を明記ください。
5.費用
分譲費用は、試料整備に係る実費をご負担いただきますことご了承ください。
- 営利/非営利に関係なく同額とします。
- 必要量によりバイアル本数が変わりますので、分譲審査申請書には必ず必要量をご記入ください。
- 臨床項目の情報については、3項目あたり分譲費用算定書記載下記の費用が必要です。
試料・情報 | 単位 | 単価(注) (消費税込/送料着払) |
---|---|---|
バイオバンク試料 (血漿、DNA) |
1バイアル (DNA:7.5μg以上 血漿:700μl) |
10,000円 |
各試料の性、年齢、主要病名以外のカタログデータベースに登録されているバイオバンク情報 | 3項目につき (表ー1) |
5,000円 |
着払い郵送のほか、バイオバンク部門における手渡しも可能です。
6.お問い合わせ
問い合わせは、次の宛先までEメールにてお問合せください。
国立がん研究センター 研究所バイオバンク事務局
【Eメール】biobank_office●ml.res.ncc.go.jp