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国立がん研究センター バイオバンク

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分譲について

試料の分譲について

国立がん研究センターバイオバンクでは、令和7年度より研究用採血試料(DNAおよび血漿)の分譲を開始することになりましたのでお知らせいたします。

図―1: 分譲の流れ

分譲の流れの画像

 

詳細情報

1.バイオバンク試料の分譲について

当バイオバンクでは、令和7年度から研究用採血血液からの試料(DNAおよび血漿)の分譲を開始することになりました。バイオバンクの試料・情報を用いて研究を実施する際に、その研究成果や派生する知的財産の帰属の点で、分譲という形で配布を希望される研究者が増えており、そのような要望への対応とした試料の有償提供です。

2.バイオバンク試料と分譲の内容

分譲対象となる試料は、研究採血からの血漿、DNAのほか、各試料に付随する性、年齢、主要病名のバイオバンク情報も併せて提供いたします。

また、性・年齢・主要病名以外の情報で、カタログデータベースに登録されている表2に示される情報は有償にて選択可能です。なお、カタログデータベースに登録されている以外の情報を追加で調べることはできません。

表―1 バイオバンク試料の内容
DNA 品質指標 OD260/280、波形
溶液のbuffer TE buffer (pH8.0)または
KURABO H-Buffer (10mM Tris-HCl, pH8.0)
分注量(濃度) 50μL/tube (150ng/μL以上)
分譲Tubeの種類 Screw Cap Microtube 0.5mL (SARSTEDT)
保管温度 ―80℃
血漿 分注量 700μL/tube
分譲Tubeの種類 96 Non Jacket Tubes 1.0mL レーザー刻印タイプ (FCR & Bio)
保管温度 ―80℃
表ー2 バイオバンク情報一覧
項目名
当該腫瘍初診日
診断日(発端日、他施設診断日、自施設診断日)
診断名コード、テキスト
組織診断名コード、テキスト
部位の側性
症例区分
外科的治療の有無(有の場合、その施行日)
体腔鏡的治療の有無(有の場合、その施行日)
内視鏡的治療の有無(有の場合、その施行日)
外科的・体腔鏡的・内視鏡的治療の結果
放射線治療の有無
化学療法の有無
内分泌療法の有無
ステージ(治療前・UICC)
治療前のステージ(主要5部位)
TNM分類(UICC)T分類、N分類、M分類
ステージ(術後病理学的・UICC)
pTNM分類(UICC)pT分類、pN分類、pM分類
進展度(治療前、術後病理学的)
分化度
診断根拠
問診票(初診日、初診時年齢、性別、生年月、身長、体重)
既往歴(がん、発症年齢、現在治療)
既往歴(高血圧、発症年齢、現在治療)
既往歴(糖尿病、発症年齢、現在治療)
既往歴(高脂血症、発症年齢、現在治療)
既往歴(脳卒中、発症年齢、現在治療)
既往歴(心臓病、発症年齢、現在治療)
既往歴(肝臓病、発症年齢、現在治療)
既往歴(腎臓病、発症年齢、現在治療)
手術歴、手術年齢
アレルギー(喘息、湿疹、蕁麻疹、アトピー、花粉症、その他、薬物、食物、環境の変化)
家族歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞)
家族歴(がん、続柄(祖父母、父母、京大姉妹))
喫煙歴(合計100本以上、現在喫煙、喫煙中止年齢、喫煙開始年齢、喫煙本数(平均))
飲酒歴(日本酒、焼酎・泡盛、ビール、ウィスキー/ブランデー、ワイン、その他のお酒)

3.申し込み

分譲審査申請

まず、分譲に希望の申し出をNCCバイオバンク事務局までご相談ください(図1(1))。

相談内容に沿った試料について確認させていただき、その結果をお知らせします(図1(2)、(3))。

その結果を受けて分譲を希望する場合は、分譲審査委員会に必要な下記の『バイオバンク試料の分譲審査申請書』(1部)および『IRB承認通知』(写し1部)をメールまたは郵送にてバイオバンク事務局へお送りください。

なお、『IRB承認通知』とは、分譲検体を用いる研究についての申請者所属機関等のIRB承認通知書もしくは研究許可書に相当します。研究についての倫理審査については、申請者の責任において行ってください。

必要書類

  様式番号 様式名 部数 From ダウンロード
(1) 様式2-2 バイオバンク試料の分譲審査申請書 1 Word(Word:53KB)
PDF(PDF:675B)
(2) IRB承認通知(申請者所属機関様式) 1 写し

郵送先

〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1

国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 バイオバンク事務局

メールでのご提出

国立がん研究センター 研究所バイオバンク事務局

【Eメール】biobank_office●ml.res.ncc.go.jp

4.分譲審査委員会・分譲に関する契約(MTA)・データの管理について

分譲の審査依頼を受けて、NCCバイオバンク分譲審査会で分譲可否の審査を行います(図1 (5))。

  1. 分譲審査委員会では下の事項について審査します。
    • 研究の目的の妥当性
    • 研究内容の妥当性
    • 分譲する試料・情報の妥当性及び適格性
    • 分譲を希望する研究機関の研究実施体制の妥当性及び適格性
    • その他分譲に必要な事項
  2. 判断結果は、結果の如何に関わらず事務局からご連絡いたします(図1 (7))。
  3. また、分譲可の判断の場合は、MTAの締結手続きへ進み、当センターの産学連携・知財戦略課から連絡させていただきます。((図1 (9))
    以下はがんセンターがMTAとして要求する事項を参照するためのNCCひな形であり、詳細は知財部との相談で決定されます。
     『バイオバンク試料の分譲に関する契約書MTAv3_20250423Fix.pdf』(PDF:680KB)

なお、分譲した試料・情報から得られたデータの管理については、以下の注意点にご留意のうえご利用ください。

  • ゲノムデータ、オミックス解析データ等のデータの管理については、信頼できる公的なデータベースにのみ登録をお願いいたします。登録については事前にバイオバンク事務局(下記、MTAに関する窓口)にご連絡のうえ協議が必要ですので予めご了承ください。
  • 研究成果を公表する際は、バイオバンクから分譲された試料・付随情報を用いた旨を明記ください。

5.費用

分譲費用は、試料整備に係る実費をご負担いただきますことご了承ください。

  • 営利/非営利に関係なく同額とします。
  • 必要量によりバイアル本数が変わりますので、分譲審査申請書には必ず必要量をご記入ください
  • 臨床項目の情報については、3項目あたり分譲費用算定書記載下記の費用が必要です。
試料・情報 単位 単価(注)
(消費税込/送料着払)
バイオバンク試料
(血漿、DNA)
1バイアル
(DNA:7.5μg以上
血漿:700μl)

10,000円

各試料の性、年齢、主要病名以外のカタログデータベースに登録されているバイオバンク情報 3項目につき
表ー1
5,000円

着払い郵送のほか、バイオバンク部門における手渡しも可能です。

6.お問い合わせ

問い合わせは、次の宛先までEメールにてお問合せください。

国立がん研究センター 研究所バイオバンク事務局

【Eメール】biobank_office●ml.res.ncc.go.jp