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「第2回 ブック de トーク~本と一緒にいのちを語ろう~」

日時:2016年8月5日(金曜日)13時から15時30分
場所:堺市立健康福祉プラザ 4階 BC研修室

 

国立がん研究センターでは、がんをはじめとする健康や医療に関する情報を、生活の中で身近に感じられるような環境づくりを目指して、図書館と医療機関、福祉機関、行政が連携したプロジェクトを進めています。
今回は4月23日に続いて、本を通じてがんや病気について語る、というイベントの第2回を開催しました。
会場は前回と同じく「まちライブラリープラザひといき」を設置している堺市立健康福祉プラザです。


今回のイベントでは、巽照子(元東近江市立図書館)が進行役を務めました。
参加者は順に持ち寄った本を紹介し、「この本のここがよかった」「この本に教えられた」「感動した」などの本に関わる体験から、かんに関わる体験、死にどう向き合うか、生と死に対する考え方などを語り合いました。
参加者は、がんを経験された方のほか、専門看護師や図書館関係者など10人でした。

この日紹介されたのは次の本です。(順不同)

 

  • 「ある日、お父さんお母さんが がんになってしまったら」 アン・コールドリック著 ピラールプレス 2016
    親ががんになったことを子どもたちがどう受け止めればよいかをやさしく伝えてくれる本です。
  • 「いのちの時間 いのちの大切さをわかちあうために」 ブライアン・メロニー著 新教出版社 1998
    この世に生きているありとあらゆるものにははじまりがあり、終わりがある、ということを教えてくれる本。
    看取(みと)りに立ち会い、どう受け止めればいいのかを考えていたときに出合った本で、今この時間を生きることの大切さを教えてくれました。
  • 「癌め」 江國滋著 富士見書房 1997
    闘病記ではなく闘病句集。2月にがんと宣告されてから8月に亡くなるまでの半年間にわたり、折々に詠まれた俳句が時間の順に並び、闘病生活の折々に経験したこと感じたことが、季節の移り変わりとともに詠まれています。
    俳句で語れるということをこの本ではじめて知りました。
  • 「水平線の向こうから」 堂園晴彦著 葉祥明絵 明月堂書店 2009
    幼い子どもを遺してゆく母親と子どものお話です。
    著者は鹿児島で長年ホスピスケアを実践してきた人で、地域の皆で支え合えるような場所をいろいろなところでつくれるようになるといいなと感じました。
  • 「生と死を見つめて:医療と仏教が共にできること」(東本願寺伝道ブックス)田畑正久著 東本願寺出版部 2001(東本願寺伝道ブックス)
    図書館員の私が、以前お坊さんに紹介された本です。図書館をよく利用していた方が余命幾らと告げられたとき、お見舞いに持って行きました。
    その方が他界された後、ご家族に感謝されました。著者は命より大切なものがあると説いています。
  • 「仏教発見!」 西山厚著 講談社現代新書 2004
    上記、「生と死を見つめて」と同様に、仏教の説くところについて教えてくれる本です。
  • 「脳科学からみた「祈り」」 中野信子著 潮出版社 2011
    脳科学者である著者が祈りについて論じた本。祈りには人を幸福にするよい祈りと、不幸につながる祈りがあること、祈りには脳を活性化する効果があること、スキンシップには効果があることなど、面白い本でした。
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  • 「このあと どうしちゃおう」 ヨシタケシンスケ作 ブロンズ新社 2016
    おじいちゃんが遺した「このあと どうしちゃおう」ノートを見て、生きることと死ぬことの意味を考えるようになったという著者の向き合い方が書かれています。この著者にはほかに「りゆうがあります」とか「ふまんがあります」とかあってどれも面白い本です。
  • 「死に方のコツ」 高柳和江著 小学館 2002
    誰でもいつかは死ぬという変え難い事実の中で、がんは死ぬ準備をする期間があり、今後のことについて考えることができるという意味でよい病気、と思える本でした。
    医療者として、以前は治療しないという気持ちになかなか共感できなかったが、さまざまな選択肢があるとがわかり、私も理解できるようになりました。


会場のテーブルには前回紹介された本が並べられ、参加者は紹介された本を回覧したり、興味を引かれた本を手にとって眺めたりしながら、自らが体験したことや考えていることを和やかに話し合いました。
今回は病気や死をどのようにとらえるか、また、子どもに人や生き物の生や死をどのように伝えるか、といったことについて話しました。
また、がん検診の在り方などにも率直な意見交換がありました。