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「いつでも、どこでも、だれでもが、がん情報を得られる地域づくりの第一歩」(in 岐阜)

日時:2017年11月10日(金曜日)13時から17時40分
場所:じゅうろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)

国立がん研究センターでは、がんをはじめとする健康や医療に関する情報を、生活の中で身近に感じられるような環境づくりを目指して、図書館と医療機関が連携したプロジェクトを進めています。その取り組みの一環として、九州・沖縄地区、東北地区での開催に引き続き、岐阜県岐阜市にて、公立図書館とがん相談支援センターの新たな連携や活動状況を広く紹介し、各地域での住民を対象にした医療・健康情報の連携に係る課題等について話し会う場を設け、取り組みをさらに推進する機会として開催されました。

概要

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開会にあたり、岐阜県立図書館の鍋島寿館長より、東海北陸地区をはじめ全国各地からがん相談支援センター、公共図書館の皆さんが集まり、共に情報交換ができることで、健康医療情報の市民への普及に向けた有意義な場になることを期待しているとの挨拶がありました。
図書館とがん相談支援センターが連携する意義について、医療機関、公共図書館双方の立場から見えた意義について、司会を務めた八巻知香子室長(国立がん研究センターがん対策情報センター)、田村俊作名誉教授(慶應義塾大学)から紹介された後、地域の好事例の報告に移りました。

岐阜県多治見市での取り組み

患者図書室と市立図書館闘病記文庫の連携からはじめったコラボレーション 
きっかけと変遷そして次へ「つなぐ」

発表者:土屋あすか(岐阜県立多治見病院)、原紀子(岐阜県立多治見病院)、中島ゆかり(多治見市立図書館)

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土屋さんからは、看護師として、病と共に前に向かう力、自分で決定する力、意思決定への支援の重要性を常々感じてきたこと、その支援のヘルスリテラシーを高める場として、患者図書室に大きな意義を感じ、協働してきたことを紹介していただきました。原さんからは患者図書室の設立と、「医療の質に関する研究会」からの寄贈を受けて発展した経緯をご説明いただいた上で、実際に患者図書室から公共図書館に、また院内のがん相談支援センターにつなぐ事例があること、連携があったからこそ支援できたことを紹介していただきました。中島さんからは、これまでの経緯の中でそれぞれ担当者個人間のつながりから、いかに組織間のつながりとして発展させるか、そのための具体的な知恵と工夫を紹介していただきました。

愛知県尾張東地区の取り組み

「医大図書館と公共と図書館の連携からはじまっためりーらいん、次のひろがり」

発表者:市川美智子(愛知医科大学)、谷口昌子(愛知医科大学健康情報室)

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愛知医科大学と4つの公共図書館の連携による「めりーらいん」について、市川さんより紹介していただきました。健康や医療の問題を日常生活上の解決すべき課題と捉え、地域の皆さんのヘルスリテラシーを高めることを目指し、年に大学図書館と公共図書館の間に年3回の連絡会をはじめ、公共図書館での講演会に、愛知医科大学からの講師派遣などの取り組みが行われていること、講演会の協力依頼は学内でのめりーらいんの活動が周知につながっていることなどを紹介していただきました。大学病院の患者図書室を担当する谷口昌子さんからは、「アイブラリー」において、ミニセミナーや通信を発行しながら、自分の病気の理解、治療に結びつくサポート、健康情報を届けることに努めていることを紹介していただきました。

大分県での取り組み

「可能性は∞-図書館からのがん情報発信-」
発表者:長谷部京子(大分県立図書館サービス課)、平山由佳(大分大学医学部附属病院がん相談支援センター)

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長谷部さんからは健康医療分野は県民にとって非常に関心の高いテーマであることから、図書館での様々な取り組みをはじめたこと、大分県看護協会との連携によって実施していた「1日まちの保健室」において、がん相談ブースを設けたり、緩和ケアの講演会を実施するなどのイベントの取り組み、また健康医療情報コーナーに冊子やちらしなどの資料がわかりやすく配置されている様子を紹介していただきました。平山さんからは、大分県がん診療連携協議情報提供・相談支援専門部会として組織として継続的に連携するようになったプロセスが紹介され、この連携が医療機関にとっても市民のがんに関する知識を増やす有効な場になっているという成果を報告していただきました。

続いて事例報告者と、石川県がん安心生活サポートハウスの木村美代さん、岐阜大学病院がん相談支援センターの澤崎久美子さん、滋賀県立成人病センターがん相談支援センターの岡村理さんにも参加していただいたパネルディスカッションに移りました。
パネルディスカッションの中では、それぞれの連携の取り組みの特長が他の地域から指摘され、互いに学びあうことのできる要素が語られました。

 

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その後は地域別に分かれてテーブルにつき、図書館関係者、病院関係者、県担当者がそれぞれに自己紹介を行い、今後の連携のためにお互いを知る(ネットワーキング)と共に、先に報告された取り組みを参考に自分たちにできそうなこと話し合いました。短い時間ではありましたが、各地域で顔の見える関係の第一歩となった様子がうかがえました。

プログラム

講演内容一覧・資料

主催・協力・後援・協賛

主催:国立がん研究センターがん対策情報センター
協力:科学研究費助成事業「市民の健康支援のための価値互酬型サービスを支える知識共同体の構築」、岐阜県図書館 後援:岐阜県、富山県、石川県、福井県、長野県、滋賀県、愛知県、三重県、静岡県、岐阜県がん診療連携拠点病院、石川県がん診療連携協議会、福井県がん診療連携協議会、長野県がん診療連携協議会、愛知県がん診療連携協議会、滋賀県がん診療連携協議会、岐阜県図書館協会、日本図書館協会(順不同)
協賛:住友生命保険相互会社