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新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査の報告書公表喫煙所は感染しやすい場所、閉鎖・使用停止に賛成という意見が約6割

2021年5月31日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、所在地:東京都中央区)がん対策情報センター(センター長:若尾文彦)たばこ政策支援部は、新型コロナウイルスとたばこに関するアンケート調査を行い、その報告書をまとめましたのでご案内します。

たばこによる健康への悪影響は科学的に明白です。受動喫煙の他者危害性やニコチンの依存性を踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、生活習慣病を予防する上で、たばこ対策は公衆衛生の重要な課題になっています。たばこは、本人の健康を損なうだけなく、家族など周りの人の健康にも悪影響を及ぼします。

そこで、国立がん研究センターでは、世界禁煙デーを前に、新型コロナウイルスとたばこについて国民の意識や認識の把握を目的として調査を行い、5月31日の世界禁煙デーに合わせて、調査結果を公表しました。

 調査結果

  • 全体では、喫煙者が新型コロナウイルスに感染した際には、重症化しやすいと思っている人は55%であった。(図1)
  • 喫煙所が、新型コロナウイルスの感染が拡大しやすい場所だと思っている人は59%であった。(図2)
  • 新型コロナウイルス対策の一環として、喫煙所や喫煙室を閉鎖、あるいは使用停止にすることに賛成する人は58%に上った。(図3)
  • 新型コロナウイルスの感染拡大に伴うステイホームや在宅勤務などによって、同居人の喫煙による受動喫煙は増えていると答えた人(非喫煙者)が10%いたのに対して、減っていると答えた人はわずか1.6%となっていた。(図4)

 調査概要

実施期間

令和3年3月9日(火曜日)から3月16日(火曜日) 

実施方法

インターネット・アンケート調査(株式会社ネオマーケティングへ委託)

回答者

成人2000名(性別・年代別の回収数は報告書の表1のとおり)
うち、喫煙者(毎日吸っている/時々吸う日がある)1,000名
非喫煙者(吸わない)1,000名

(注)性別、年齢別、喫煙状況の実際の比率に合わせて結果を調整しています。

調査項目

  • 新型コロナ感染時の重症化について
  • 喫煙所での感染拡大について
  • 喫煙所の閉鎖、使用停止について など

調査者 

国立がん研究センター がん対策情報センター たばこ政策支援部

 

 

 

1 新型コロナウイルス感染時の重症化について

【全体】喫煙者は、新型コロナウイルスに感染した際には、重症化しやすいと思いますか。あなたの考えにあてはまるものをお答えください。

新型コロナウイルス感染時の重症化についての図

図2 喫煙所の感染について

【全体】喫煙所は、新型コロナウイルスの感染が拡大しやすい場所だと思いますか。あなたの考えにあてはまるものをお答えください。

喫煙所の感染についての図

図3 喫煙所の閉鎖や使用停止について

【全体】新型コロナウイルス対策の一環として、喫煙所や喫煙室を閉鎖、あるいは使用停止にするところも見られるようになりました。あなたは、喫煙所や喫煙室の閉鎖や使用停止についてどのように思いますか

喫煙所の感染についての図

図4 ステイホーム・在宅勤務による受動喫煙について

【非喫煙者】現在たばこを吸っていない方にお伺いします。新型コロナウイルスの感染拡大に伴うステイホームや在宅勤務などによって、同居人の喫煙による受動喫煙は増えていますか。

 喫煙所の感染についての図

 

補足説明

今年の世界禁煙デーにおける世界保健機関(WHO)のテーマは次の通りです。

Commit to quit

The COVID-19 pandemic has led to millions of tobacco users saying they want to quit. Commit to quit today and sign the pledge. 

禁煙にコミットする

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大により、何百万人もの喫煙者が禁煙しようとしています。今日、禁煙宣言にサインしよう。 

WHOは昨年、喫煙者が新型コロナウイルス(COVID-19)による重篤な疾患と死亡を発症するリスクが高いことを示す科学的概要を発表しました。喫煙は、心血管疾患、癌、呼吸器疾患、糖尿病などの非感染性疾患の主要な危険因子でもあり、さらに、これらの持病をもって生活している人々は、COVID-19に対してより脆弱で、感染時には重症化しやすくなります。

喫煙者が非喫煙者と比較して新型コロナウイルス(COVID-19)で重篤な疾患を発症する可能性が高いという証拠が発表されたとき、何百万人もの喫煙者がタバコをやめたいと思うようになったと言われています。たばこの有害性については良く知られています。

アンケート調査の回答者について

上述の調査概要のとおり、本調査ではインターネット・アンケート調査により実施しています。「インターネット調査」には、(1)インターネット画面上で回答する、(2)調査対象が登録モニターである、という二つの特徴があります。前者は「測定誤差」、後者は「サンプリング・バイアス」の規定要因となり調査結果の誤差に影響を与える可能性があります。そこで委託先に、広範なカバレッジの中から確率的に回答者を集める方法が採られていること、モニターの募集、管理が適切になされ、質の確保がなされていることを確認しています。また、サンプリング・バイアスについては、性別、年齢別、喫煙状況の比率にあわせてウェイトバックを行い調整しています(調整については結果報告書の表1、図1のとおり)。

参考資料

報道関係からのお問い合わせ先

国立研究開発法人国立がん研究センター

〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1

がん対策情報センター たばこ政策支援部

電話番号:03-3542-2511(代表) ファクス番号:03-3547-8098 メールアドレス:tobacco●ml.res.ncc.go.jp(●を@に置き換えてください)

その他全般

企画戦略局 広報企画室

電話番号:03-3542-2511(代表) ファクス番号:03-3542-2545 メールアドレス:ncc-admin●ncc.go.jp(●を@に置き換えてください)

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