放射線 よくあるお問い合わせQ&A
放射線量測定単位の、cpmとは何を表すのですか?
1分間に検出器に当たった放射線の数を表す単位です。この単位は、放射性物質の存在量を検出器で表す値であり、人体への影響の程度と直接対応させることはできません。また、放射線の種類特定もできません。(参照:医療科学社「あなたと患者のための放射線防護Q&A」)
放射線量測定単位の、Sv(シーベルト)とは何を表すのですか?
放射線の人体への影響は、人体に与えられた放射線のエネルギーと放射線の種類によって異なります。そのため、人体に与えられた放射線のエネルギーに対して放射線の種類を加味した値が等価線量として定義されており、単位がSvとなります。また、等価線量から放射線の影響を考慮することができるため、放射線から身を守るうえで大変重要な値となります。この単位を用いることで、異なる放射線でも人体への影響を比較することができる訳です。
cpmとμSvの換算はできますか?
cpmとSvは、それぞれの単位の概念が大きく異なります。cpmからSvに変換するには変換係数が必要ですが、この係数は核種、エネルギーによって大きく異なるために、核種やエネルギーが特定されない限り、cpmからSvへの数値での明確な換算は難しいとされています。当センターは放射線測定に関し専門機関ではなく、これらの要素の特定を行うことはできません。
東病院での測定数値が高めのようです。原因は何ですか?
東病院における3月22日(火曜日)からの環境放射線量の変化は、福島原発事故に伴い、大気中に放出された放射性物質が降雨等により大気中の粉塵等とともに降りてきたことが原因と思われ、その後の放射線量の変化は、降りてきたものが半減期に従い減衰しているためと思われます。また、地域により測定された放射線量の値の違いは、降雨条件、距離、風向き、測定場所(土壌、コンクリートなど)などの違いによるものと思われます。
測定に使用している機器の種類は何ですか?
中央病院
- 空間線量測定使用機器
GM管式とNaIシンチレーション式を搭載した複合検出器
型式:identiFINDEDER-Ultra-K-NGH/製造会社:ICx Radiation社 - 方角別CPM・屋上表面CPM測定使用機器
GM管式サーベイメータ 型式:TGS-146/製造会社:ALOKA社製 - 水道水・雨水測定使用機器
ウエル型NaIシンチレーション式検出器
型式:ARC-380/製造会社:ALOKA社製
東病院
- 空間線量測定使用機器
型式:シンチレーションサーベイメータ TCS-161/製造会社:ALOKA社製 - 表面汚染密度の測定使用機器
型式:GMサーベイメータ TGS-136/製造会社:ALOKA社製
各測定地点の、地表面からの高さはどれくらいですか?
中央病院
- 空間線量・方角別CPM測定 病院棟屋上で地上より111メートル(屋上床面より1メートル)
- 屋上表面CPM 屋上床面より1センチメートル
東病院
- 屋内1:1メートル、屋内2:1メートル(ともにコンクリート建屋内の管理室)
- A:屋外 1メートル、B:屋外 1メートル、C:屋外 コンクリート面に置いて測定、D:土壌 1センチメートル
各測定地点は、どのような環境ですか?
中央病院
- 中央病院の屋上20階
- 雨水サンプルも同屋上にて採取
東病院
- 屋内1、2:コンクリート建屋内の部屋
- A:屋外 陽子線治療棟の屋上
- B:屋外 病院敷地周囲
- C:屋外 駐車場
- D:土壌 芝生
「バックグラウンド」とは、どのような数値ですか?
私たちは、日常生活の中での種々の自然発生放射線-例えば宇宙線、地球上に存在する放射性物質、体内で自然発生している放射線などに被ばくしています。一般的に、これらはバックグラウンド放射線と呼ばれています。これらの放射線源から受ける年間の総線量は1ミリシーベルトから3ミリシーベルトの間と考えられています。地理的な位置および建物の種類によってかなり違ってきます。
(参考:財団法人放射線影響研究所HP)
CTスキャンなど、医療被ばくによる健康被害の心配はありますか?
医療被ばくを伴う検査は、被ばくに対する不利益と検査によって体の状態がわかる利益とを比較して、利益が多い場合にのみに行います。検査内容によって被ばく量には差がありますので、個々の被ばくに対するご質問は医療施設にお尋ねください。
首都圏において、子供(乳幼児)に対する健康被害の心配はありますか?
放射性ヨウ素を例にご説明します。子供は、大人より放射線の影響を受けやすいと言われています。大人では体内に入った放射性ヨウ素のうち約7%が甲状腺に留まり、残りは24時間以内に排出されます。一方、子供は、その約20%が甲状腺にたまってしまいます。従って、子供の方が健康への影響は大きくなりやすいといえます。しかし、現在の首都圏における放射線に関する数値は、子供が放射性ヨウ素に被ばくした食物の摂取を続けても問題がない数字を基本に設定された規制値内ですので、問題ありません。また、厚生労働省では、放射線の影響に関して妊娠中の女性や育児中の母親が持つような不安にこたえるためのパンフレットを作成しています。
(参考:社団法人日本産婦人科医通知文)
首都圏において、呼吸や飲食の経口摂取を通しての内部被ばくによる健康被害の心配はありますか?
現在の首都圏においては、内部被ばくによる健康被害の報告はありません。なお、詳細な説明等は他の専門機関(放射線医学研究所、厚生労働省、各自治体など)にご相談ください。
放射線によって傷ついた遺伝子は、どの程度の被ばく量であれば自己修復が可能ですか?
遺伝子はDNAという物質でできており、細胞活動の司令塔です。通常の生活をしていても、DNAは紫外線や喫煙、自然放射線などさまざまな環境中の要因により傷つき、それがいろいろな酵素の働きで自己修復されています。自己修復がうまくいかない細胞が生き延びると、"がん"になってしまう事があります。放射線を浴びた場合でも自己修復は働きますが、過剰に浴びることで自己修復がうまくいかない細胞が増えてしまう可能性が高まります。
また、放射線の影響を受けやすい細胞と受けにくい細胞があり、細胞分裂の活発な細胞(リンパ組織・骨髄等)ほど放射線に対する感受性が高いことがわかっています。被ばく量が増えると自己修復がうまく働かなくなる確率が高まると考えてください。