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研究プロジェクト
プロジェクト一覧
●がんゲノム医療のバイオインフォマティクス
●数値シミュレーションによる予測がんゲノム医療
●量子コンピュータの次世代がんゲノム医療への応用
●バイオマーカーの探索と生物情報学的探索技術の開発
●他研究室・他機関へのバイオインフォマティクス分析協力
がんゲノム医療のバイオインフォマティクス
当研究室では、がんゲノム医療のための様々な生物情報学的技術を研究しています。
がんゲノム医療では、次世代シークエンサー装置から産出される大量データを利用して、がん組織のDNA における100遺伝子以上の複数種類の異常(一塩基変異・短い挿入欠失、コピー数異常、融合遺伝子)を1回で検査できます。そして検出された遺伝子異常に対応する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を処方し、がんを治療します。
大量データを利用して遺伝子異常を検出するにはバイオインフォマティクス的処理が必要で、当研究室では臨床用に検出精度の高いcisCall(シスコール)という遺伝子異常検出プログラムを開発しました。また、検出された遺伝子異常に対応する分子標的薬候補を自動的に挙げ、その情報が載った報告書を自動作成するcisInter(シスインター)というプログラムも開発しました。そして、これらcisCal およびcisInter の製品版が搭載されたOncoGuide™ NCCオンコパネル・システムは、がんゲノムプロファイリング検査機器として日本で初めて薬事承認されました(2018 年12 月)。また、同様に本邦初の保険適用となりました(2019 年6 月)。cisCall/cisInter は、保険診療下のがん医療で臨床応用された、本邦初のバイオインフォマティクス・ツールだと思います。
これまでの成果を発展させ、現在以下を研究しています。
- FFPE 全ゲノム・シークエンス用のDNA 異常検出プログラム
現在のがんゲノム医療は数百程度の遺伝子異常を検出しますが、究極の拡張は全遺伝子、さらに超えて非遺伝子領域までを含めた全ゲノムのDNA 異常です。日常診療で使われるFFPE 試料由来DNA からの全ゲノム・シークエンスデータを処理してDNA 異常を検出する、全ゲノム用のDNA 異常検出プログラムを開発しています。
- 深層学習を利用したノイズ・フィルター
cisCall では、FFPE 用ノイズ・フィルターを人が入念に設計しましたが、設計を自動化・高精度化するため、深層学習を利用したノイズ・フィルターを開発しています。
References:
- Mamoru Kato, Hiromi Nakamura, Momoko Nagai, Takashi Kubo, Asmaa Elzawahry, Yasushi Totoki, Yuko Tanabe, Eisaku Furukawa, Joe Miyamoto, Hiromi Sakamoto, Shingo Matsumoto, Kuniko Sunami, Yasuhito Arai, Yutaka Suzuki, Teruhiko Yoshida, Katsuya Tsuchihara, Kenji Tamura, Noboru Yamamoto, Hitoshi Ichikawa, Takashi Kohno, and Tatsuhiro Shibata
A computational tool to detect DNA alterations tailored to formalin-fixed paraffin-embedded samples in cancer clinical sequencing
Genome Medicine, 2018, 10, 44.1-44.11
cisCall の論文です。
cisCall では、日常診療で使われるFFPE 試料由来のDNA に対する次世代シークエンサー・データを対象に、FFPE 特有のノイズに惑わされず頑健に検出を行える様々な工夫(ノンパラメトリック統計学、計算機集約統計学、ランダム・サンプリングによる内部コントロールの活用)を取り入れたアルゴリズムが、プログラムに組み込まれています。また、短鎖変異(一塩基変異、短い挿入欠失)だけでなく、がんゲノム医療で対象となるコピー数異常、融合遺伝子といった全ての異常タイプを検出できます。 - Takashi Kubo, Kuniko Sunami, Takafumi Koyama, Mayuko Kitami, Yasuhiro Fujiwara, Shunsuke Kondo, Kan Yonemori, Emi Noguchi, Chigusa Morizane, Yasushi Goto, Aiko Maejima, Satoru Iwasa, Tetsuya Hamaguchi, Akira Kawai, Kenjiro Namikawa, Ayumu Arakawa, Masanaka Sugiyama, Makoto Ohno, Teruhiko Yoshida, Nobuyoshi Hiraoka, Akihiko Yoshida, Masayuki Yoshida, Takahiro Nishino, Eiji Furukawa, Daichi Narushima, Momoko Nagai, Mamoru Kato, Hiroshi Ichikawa, Yasuhiro Fujiwara, Takashi Kohno, Noboru Yamamoto
The impact of rare cancer and early-line treatments on the benefit of comprehensive genome profiling-based precision oncology
ESMO Open,2024 9(4), 102981 - Kuniko Sunami, Hitoshi Ichikawa, Takashi Kubo, Mamoru Kato, Yutaka Fujiwara, Akihiko Shimomura, Takafumi Koyama, Hiroki Kakishima, Mayuko Kitami, Hiromichi Matsushita, Eisaku Furukawa, Daichi Narushima, Momoko Nagai, Hirokazu Taniguchi, Noriko Motoi, Shigeaki Sekine, Akiko Maeshima, Taisuke Mori, Reiko Watanabe, Masayuki Yoshida, Akihiko Yoshida, Hiroshi Yoshida, Kaishi Satomi, Aoi Sukeda, Taiki Hashimoto, Toshio Shimizu, Satoru Iwasa, Kan Yonemori, Ken Kato, Chigusa Morizane, Chitose Ogawa, Noriko Tanabe, Kokichi Sugano, Nobuyoshi Hiraoka, Kenji Tamura, Teruhiko Yoshida, Yasuhiro Fujiwara, Atsushi Ochiai, Noboru Yamamoto, Takashi Kohno
Feasibility and utility of a panel testing for 114 cancer-associated genes in a clinical setting: A hospital-based study
Cancer Science, 2019, 110, 1480.1-11 - Yuko Tanabe, Hitoshi Ichikawa, Takashi Kohno, Hiroshi Yoshida, Takashi Kubo, Mamoru Kato, Satoru Iwasa, Atsushi Ochiai, Noboru Yamamoto, Yasuhiro Fujiwara, and Kenji Tamura
Comprehensive screening of target molecules by next-generation sequencing in patients with malignant solid tumors: guiding entry into phase I clinical trials
Molecular Cancer, 2016, 15, 73-77
国立がん研究センターでは2012 年より、TOP-GEAR という、がんゲノム医療実現のための先駆的研究プロジェクトが始まりましたが、その主要な科学的成果はこれら3編の論文で報告されています。これら3編の論文の中で、臨床応用を目指して実際の臨床検体に対し、cisCall は使用されました。 - Kota Itahashi, Shunsuke Kondo, Takashi Kubo, Yutaka Fujiwara, Mamoru Kato, Hitoshi Ichikawa, Takahiko Koyama, Reitaro Tokumasu, Jia Xu, Claudia S. Huettner, Vanessa V. Michelinim, Laxmi Parida, Takashi Kohno, and Noboru Yamamoto
Evaluating clinical genome sequence analysis by Watson for Genomics
Frontiers in Medicine, 2018, 5, 305.1-10
当時話題の人工知能IBM ワトソンをTOP-GEAR に適用した研究です。この論文は、日本で初めてワトソンが本格的に学術評価された報告だと思います。
C-CATでの、がんゲノム医療ための実用的なバイオインフォマティクス
cisCall/cisInter の製品版が搭載された医療機器によるがんゲノム医療が開始されたのと同時期に、当センターにがんゲノム情報管理センター、英名を略してC-CAT が誕生しました。C-CAT では、保険適用されたがんゲノム医療のデータを全国から受信し、見つかった分子標的に合う全国の臨床試験情報が載った書類(C-CAT 調査結果)を患者さんごとに作成し、データを送信下さった病院へその書類を提供しています。研究室主宰者はC-CAT のゲノムデータ管理室の室長にも併任しています。当研究室のメンバーも何人かゲノムデータ管理室に併任しています。C-CAT のシステムは全国規模の巨大なシステムであり、ゲノムデータ管理室ではその一部の、ゲノムデータに関連するシステムの開発・運用を担当しています。
がんゲノム医療の臨床運用のために、以下の研究開発を行っています。
- CATS format の策定
C-CAT では全国から保険診療下のがんゲノムデータを受信していますが、データがばらばらな形式では個別対応のために無駄な労力を費やすことになってしまいます。データ形式を統一し、1ファイルで短鎖変異、コピー数異常、構造変異やTMB/MSI、その他データ品質やメタ情報を格納できる便利なデータ形式、CATS (CAncer genomic Test Standardized) format を開発しています。現在、年に1回程度の更新を行っています。
これまでC-CAT で受信した約11万件(2025年9月現在)のがんゲノムデータで、CATS format が利用されてきました。
- catstools の開発
CATS format で表現されたがんゲノムデータを、簡単なコマンドで操作する生物情報学的ツールを開発しています。CATS format のバリデーション、バージョンアップ、オンコ・プロットやサーコス・プロットでの変異集計、HL7 FHIR 形式への変換、変異アノテーション、VCF 形式との相互変換などが、簡単なサブコマンドで行えます。
*現在古い版が公開されていますが、新版と取り替えるべく鋭意開発中です。
References:
- CATS format
- Takashi Kohno, Mamoru Kato, Shinji Kohsaka, Tomohisa Sudo, Ikuo Tamai, Yuichi Shiraishi, Yusuke Okuma, Daisuke Ogasawara, Tatsuya Suzuki, Teruhiko Yoshida, Hiroyuki Mano
C-CAT: The National Datacenter for Cancer Genomic Medicine in Japan
Cancer Discov, 2022, 12, 2509-2515
C-CAT の概要とCATS format について述べられています。
AMED 全ゲノム解析臨床還元研究、および厚生労働省 全ゲノム解析等事業
これらの全ゲノム研究・事業に参画して、臨床研究としてがん全ゲノム“標準レポート”を作成し、得られた知見を全ゲノム解析等事業へ役立てる活動を行っています。
数値シミュレーションによる予測がんゲノム医療
がんゲノム医療で遺伝子異常が検出されたら分子標的薬の適用へと進みますが、必ずしも奏功するとは限りません。患者さんごとに効果的な適用の仕方を評価するため、ちょうど地球大気を模す数値シミュレーション天気予報が台風の進路を予測するように、がん細胞を模す数値シミュレーションによって、具体的な投薬計画の下でのがん細胞数の増減動態を予測するコンピュータ・システムを開発しています。
がん細胞はコンピュータの中で培養され、仮想的なゲノムを持ち、腫瘍間不均一性・腫瘍内不均一性が反映されています。このためPDX (Patient-Derived Xenograft)―患者由来異種移植マウスモデルを参考に、PDV (Patient-Derived Virtual tumor)―患者由来仮想腫瘍モデルと呼んでいます。数値シミュレーション・ベースの個別化がんゲノム医療を実現し、このシステムを利用して、体内のがん細胞の根絶を目指します。
References:
- Iurii Nagornov, Eisaku Furukawa, Momoko Nagai, Shigehiro Yagishita, Tatsuhiro Shibata, Mamoru Kato.
tugMedi: simulator of cancer-cell evolution for personalized medicine based on the genomic data of patients.
bioRxiv, 2025, doi: 10.1101/2025.06.27.661855
PDV と仮想的薬剤介入の、基本的な機能と方法が実現しました。
具体的には、コピー数異常、相同染色体および顕性・潜性モデル、ヒト参照ゲノムのエキソン―イントロン構造がモデルに取り入れられました。また、実時間への変換方法、ドライバー変異とパッセンジャー変異の扱いとそれに関連する計算高速化アルゴリズム、アンサンブル予測、薬剤投与量との対応のさせ方、生成器による入力値セットの生成、近似ベイズ計算法およびベイズ最適化によるパラメータ推定が開発されました。具体的な投薬計画下でのシミュレーションによる予測動態から、完全奏功か再発かが演繹されます。再発の場合、腫瘍が何年後にどのぐらいのサイズになるかが予測されます。また、恐らくこれまで観測されてこなかったTMB/VAF の動態が予測されています。 - Iurii S. Nagornov, Jo Nishino, Mamoru Kato.
tugHall: A Tool to Reproduce Darwinian Evolution of Cancer Cells for Simulation-Based Personalized Medicine.
ISMCO 2020: Mathematical and Computational Oncology.
Lecture Notes in Computer Science, vol 12508, 71-76.
クローン・ベースのエージェント・モデルを実現しました。
シミュレータの最初のバージョンでは、エージェントは細胞だったのですが、これだと細胞数が多すぎると計算できなくなります。この問題をクローン・ベースにすることで解決しました。 - Iurii S. Nagornov and Mamoru Kato
tugHall: a simulator of cancer-cell evolution based on the hallmarks of cancer and tumor-related genes
Bioinformatics, 2020, 36, 3597–3599.
シミュレータの最初のバージョンであり、概念的に初めて仮想的薬剤介入を実現しました。
もともと腫瘍内不均一性を解明する目的で、具体的な遺伝子と表現型(がんのホールマーク)とが結びついたエージェント・ベースの分岐過程シミュレータを開発していたのですが、これを利用して、推定されたパラメータを無効化することによって、仮想的薬剤介入を実現しました。TCGA の大腸がん男性患者の実データに適用し、APC, KRAS, PIK3CA の異常ではなく、TP53 の異常をブロックしたときだけ、がん細胞増殖が抑制されることが予測されました。これは、この患者さんにAPC, KRAS, または、PIK3CA を標的とする分子標的薬を使用しても効かない、しかしTP53 を標的とする分子標的薬を用いたときは効くだろう、という仮想的薬剤介入の基本アイデアを示しています。 - Hanako Ono, Yasuhito Arai, Eisaku Furukawa, Daichi Narushima, Tetsuya Matsuura, Hiromi Nakamura, Daisuke Shiokawa, Momoko Nagai, Toshio Imai, Koshi Mimori, Koji Okamoto, Yoshitaka Hippo, Tatsuhiro Shibata, Mamoru Kato
Single-cell DNA and RNA sequencing reveals the dynamics of intra-tumor heterogeneity in a colorectal cancer model.
BMC Biology, 2021, 19, 207.1-17
1細胞DNAおよびRNA シークエンスと同種移植マウスモデルを使って、皮下移植という劇的な環境変化を受けるときに、がん細胞にどのような変化が見られるかの動態を実験的に調べました。DNA では腫瘍内多様性が減少し、RNA では増加していました。選択後、RNA 的に新しい分集団が誕生したためと考えられます。がん転移では、選択されたがん細胞の一群が遺伝的な変化を経ることなく、転写的な新規分集団が発生することで、転移先に定着することが示唆されました。 - Mamoru Kato, Daniel A. Vasco, Ryuichi Sugino, Daichi Narushima, and Alexander Krasnitz
Sweepstake evolution revealed by population-genetic analysis of copy-number alterations in single genomes of breast cancer
Royal Society Open Science, 2017, 4, 171060.1-171060.11
がん細胞一細胞ごとに得られたDNA の次世代シークエンス(一細胞シークエンス)データを、集団遺伝学で用いられているコアレスセント・シミュレーションと近似ベイズ計算法とを組み合わせて処理し、乳がんにおけるがん細胞が、魚の集団で見られるような多産多死によって進化することを示しました。
量子コンピュータの次世代がんゲノム医療への応用
量子コンピュータをがんゲノム医療へ応用する研究を始めています。量子コンピュータはFTQC(誤り耐性のある量子コンピュータ)が出来た場合、社会を変革しうる可能性を秘めています。医療も変わるでしょう。FTQC は2030 年代には実現するとの見方もあり、今からその準備を進めています。現在のところ量子コンピュータでは古典コンピュータとは全く異なるプログラミングの考え方が要求され、技術的にも興味深い対象です。
バイオマーカーの探索と生物情報学的探索技術の開発
臨床に役立つバイオマーカーの探索やコンピュータ探索技術を研究しています。
References:
- Mamoru Kato, Jo Nishino, Momoko Nagai, Hirofumi Rokutan, Daichi Narushima, Hanako Ono, Takanori Hasegawa, Seiya Imoto, Shigeyuki Matsui, Tatsuhiko Tsunoda, Tatsuhiro Shibata
Comprehensive analysis of prognosis markers with molecular features derived from pan-cancer whole-genome sequence
Human Genomics, 2025, 19, 39
ICGC とTCGA が組んだPan-Cancer Analysis of Whole Genomes (PCAWG) のがん種横断的な全ゲノムデータに対し、生存時間と相関する予後予測マーカーを網羅的に探索し、その性質を明らかにしました。予後予測には沢山の分子マーカーを調べる必要はないこと、ただしがん種毎に異なるマーカーを調べる必要があること、RNA マーカーに匹敵する性能を持つDNA マーカーがあること、これまであまり強調されてこなかったHLA ハプロタイプ、ネオアンチゲン、SV の数が幾つかのがん腫では予後と相関していること、等が分かりました。 - Jo Nishino, Fuyuki Miya, Mamoru Kato.
Gene based Hardy–Weinberg equilibrium test using genotype count data: application to six types of cancers.
BMC Genomics, 2025, 26, 124.1-10
他研究室・他機関へのバイオインフォマティクス分析協力
当研究室では、実験研究室が産出するデータのバイオインフォマティクス分析を、共同研究として行っています。
解析支援をご希望の方は、FIOC バイオインフォマティクス部門の情報解析支援として、FIOC 連携支援室へご連絡ください(1週間後程度を目安に返信します)。
Selected papers:
- Takashi Kamatani, et al,
Clonal diversity shapes the tumour microenvironment leading to distinct immunotherapy responses in metastatic urothelial carcinoma,
Nature Communications, 2025, 16, 7995 - Kana Shimomura, et al,
Sleeping Beauty transposon mutagenesis identified genes and pathways involved in inflammation-associated colon tumor development,
Nature communications, 2023, 14, 6514.1-16 - Mihoko Saito-Adachi, et al,
Oncogenic structural aberration landscape in gastric cancer genomes,
Nature Communications, 2023, 14(3688) - Yasushi Totoki, et al,
Multiancestry genomic and transcriptomic analysis of gastric cancer,
Nature Genetics, 2023, 55(4):581-594 - Shinichi Yachida, et al,
Comprehensive Genomic Profiling of Neuroendocrine Carcinomas of the Gastrointestinal System,
Cancer Discov, 2021, 4, 1398–1405 - The ICGC/TCGA Pan-Cancer Analysis of Whole Genomes Consortium
Pan-cancer analysis of whole genomes
Nature, 2020, 578, 82-93. - Tomoko Saito, et al,
A temporal shift of the evolutionary principle shaping intratumor heterogeneity in colorectal cancer,
Nature Communications, 2018, 9, 2884.1-11 - Koichi Ogura, et al,
Integrated genetic and epigenetic analysis of myxofibrosarcoma,
Nature Communications, 2018, 9, 2765.1-11 - Akihiro Fujimoto, et al,
Whole genome mutational landscape and characterization of non-coding and structural mutations in liver cancer,
Nature Genetics, 2016, 48, 500-509. - Shinichi Yachida, et al,
Genomic sequencing identifies ELF3 as a driver of ampullary carcinoma,
Cancer Cell, 2016, 29, 229-240. - Hiromi Nakamura, et al,
Genomic spectra of biliary tract cancer,
Nature Genetics, 2015, 47, 1003-1010. - Yasushi Totoki, et al,
Trans-ancestry mutational landscape of hepatocellular carcinoma genomes,
Nature Genetics, 2014, 46, 1267-1273.