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職場における健康増進介入の実装における影響要因:スコーピングレビューのプロトコール

更新日 : 2022年10月20日

はじめに

 研究によって効果が証明された職場での健康増進介入は、従業員の健康行動を促進させることができます。しかし、そのような介入が、必ずしも様々な職場で十分に実施されるとは限りません。また、実施しても従業員の参加が十分に得られるとは限りません。職場の健康増進介入をより効果的にすすめるための工夫(実装戦略)を介入に追加することで、より実装が促進されると考えられますが、職場の健康増進介入における実装戦略は十分に検討されていません。そこで我々は、まずは職場の健康増進介入の文脈を理解するために、介入の実施を阻害する要因および実施を促進する要因についてレビューを行うこととしました。

 

方法

 このスコーピングレビューでは、職場における健康増進介入を実際に行う介入の提供者の視点から、実施の阻害要因と促進要因について検討する予定です。PRISMA-ScRガイドラインに従い、1986年から2022年までのMEDLINE (PubMedを使用)、Web of Science、Scopusデータベースを用いて文献を収集します。次に、著者2名が、該当する論文のタイトルと抄録、そして全文を個別に読み、レビューの包含基準に合致しているかどうか判断します。そして標準化されたデータ収集フォームを用いて論文情報を整理し、阻害要因と促進要因については、内容分析アプローチを用いて「実装研究のための統合フレームワーク、Consolidated Framework for Implementation Research(CFIR)」に沿って整理をします。さらに、抽出された要因の妥当性について、職場の健康増進介入の関係者(職場の健康管理担当者や産業保健師、職場の健康管理を専門とする研究者など)との協議も行います。

 

考察

 本研究では、職場における健康増進型介入の実装を阻害する要因および促進する要因についての国際的なエビデンスについて包括的にレビューを行います。これらの結果を職場の特徴(業種や事業所規模など)、または介入の種類(食事、運動、禁煙など)別に整理することで、それぞれの職場の文脈に合わせた健康増進介入の実装戦略の特定に大きく貢献すると考えています。

 

発表論文

Lwin KS, Bhandari AKC, Nguyen PT, Saito J, Yaguchi-Saito A, Ota E, Shimazu T. Factors influencing implementation of health-promoting interventions at workplaces: Protocol for a scoping review. PLoS One, 2022: 17(10):e0275887. doi: 10.1371/journal.pone.0275887. PMID: 36223415.
Factors influencing implementation of health-promoting interventions at workplaces: Protocol for a scoping review | PLOS ONE (外部サイトにリンクします)