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平成27年度がん対策情報センター「患者・市民パネル」検討会
開催日時
開催日:2015年11月14日(土曜日)開催時間:13時から16時30分
会場
国立がん研究センターセミナールームプログラム
- がん対策情報センター長あいさつ
- これまでのがん対策情報センターの取り組み
- 「がん患者さん・ご家族との関わりに関するアンケート」の集計結果報告
- 本日のテーマとディスカッションの進め方
- グループディスカッション【家族をめぐる経験 ~患者さんの家族を支援する情報に関する検討~】
- 各グループの結果報告
- 全体討議
- 閉会のあいさつ
- 「感謝のメッセージ」撮影会
概要
11月14日に平成27年度がん対策情報センター「患者・市民パネル」検討会が行われました。
今回の検討会は、「家族をめぐる経験」をテーマに、患者・家族・市民の立場から、テーマである「家族をめぐる経験」に加えて、がん対策情報センターが発行している「家族ががんになったとき」の冊子についても、皆さまからのさまざまなご意見をいただくことができました。当日は、天候の悪い中、全国各地より、64人の皆さまにご参加いただき、とても充実した会となりました。
まず、若尾文彦センター長より、「がん情報サービスなどのがん患者家族に関する情報のこれまでの取り組み」として、「がん情報サービス」の開設当時のことや今日までに発行された冊子や書籍についての概説がありました。また、がん対策推進基本計画中間評価と「がん対策加速化プラン」の概要についての説明があり、今後の対策に向けて、家族への支援にどのようなものが必要であるのかについて、皆さまの目線で、ご意見をいただきたいとの依頼がありました。
続いて、早川雅代室長より、本検討会に先立ってパネルの皆さまにご協力いただいた「がん患者さん・ご家族との関わりに関するアンケート」の結果報告がありました。「患者さん」が治療や療養生活をおくる上で困ったこととしては、“不安や気持ちの落ち込みなどが生じる”こと、一方で「ご家族」が患者さんの治療や療養生活をサポートする上で困ったこととしては、“今後の病状の変化への不安と付き合う”ことなど、双方ともに心のことやコミュニケーションに関わる点が多くあげられたものの、立場によりやや異なる傾向もあることがあげられました。冊子については、「家族のストレスの対処法の具体例」や「イメージイラストの追加」をしてほしい、など拡充が望まれる内容も報告されました。
その後、8グループに分かれ、「患者さんの家族はどんな情報が必要になるか」「家族自身を支えるために必要なことは何だろうか」「家族を支えるためには、どのような仕組みやサービスが必要だろうか」について、さまざまな角度からディスカッションを行っていただきました。各グループからは、「家族はつらさを吐き出せる場がなかなかない」「理想としては、家族は冷静で正確な情報をつかめれば患者のサポートとなる」「情報のありかがわからなかった」「がんサロンなどには、家族と一緒に参加して、がん患者の気持ちを知ってほしい」「再発や治療の曲がり角といった厳しい局面では、第三者のサポート、特に心理的サポートが必要と感じる」「つらいときには察して気遣ってほしい」「治療費について、公私の保険や自治体の制度など複雑すぎる」「手術が終わっても、退院しても、元に戻ったわけではないことをわかってほしい」など多方面にわたる意見が多々寄せられました。
冊子については、「もっと冊子を普及させる必要がある」「分冊化できないだろうか」といったご意見もいただきました。
続いて、全体討議では、皆さまから、家族を支えるために必要なサービスや仕組みが特に不足しているというご意見があげられた一方で、具体的な例を交えながら、家族のためのサロンや病院の家族外来といった家族を支えるための施設が全国的に開設されていることのご紹介もありました。ディスカッションをふまえた上で、意義のある情報共有がなされました。
そして、検討会の終了後には、5月の委嘱状・交付式でも行いましたが、引き続き「感謝のメッセージ」の撮影会が行われ、この日に収録されたメッセージは、「サンキューバトン」の動画メッセージサイトに追加されています。
限られた時間ではありましたが、皆さまに積極的にご討議いただき、熱気あふれる充実した会となりました。皆さまからいただきました意見を基に、皆さまと今後も検討を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。