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2022年度 国立がん研究センター「患者・市民パネル」説明会・検討会
開催日時
開催日: 2022年5月13日(金曜日) 開催時間: 13時から15時30分
開催方式
オンライン(Zoomミーティング)
プログラム
- 開会あいさつ
- 組織の概要・活動について、患者・市民パネルの活動について 説明
- ディスカッションの進め方について 説明
検討テーマ 【もっと、使いやすく!「がん情報サービス」】 - グループディスカッション
- 各グループからの報告・全体共有
- コメント、講評
- 閉会あいさつ、諸連絡
概要
5月13日に、2022年度国立がん研究センター「患者・市民パネル」説明会・検討会をオンラインで開催しました。この日は北海道から沖縄県まで全国から78名の患者・市民パネルのメンバーにご参加いただきました。オンライン開催となった2020年以来、参加人数が過去最多となりました。また今回、報道機関4社の取材がありました。
最初に、中釜斉・国立がん研究センター理事長から開会あいさつがありました。患者・市民パネルには、がん対策・がん医療の課題や取り組み、現在進めている研究に対して不足点あるいは強化すべきことなど、様々な視点からご意見をいただいていると紹介がされました。情報共有のあり方について、センターの発信・作成するウェブサイトや冊子の見やすさ、過不足に関しても積極的にご意見をいただいていること、また講演会などを通じての調査協力の機会があることにも触れられました。
次に若尾文彦・がん対策研究所事業統括から、国立がん研究センターとがん対策研究所の活動・組織、日本のがん状況、第3期がん対策基本計画の概要についての説明がありました。さらに、がん情報サービスが「確かな」「わかりやすい」「役に立つ」を柱に、全国の多くの専門家、患者・市民による協力に支えられて作成されていること、またがん情報ギフトが寄付によってがん情報をつくり、全国の図書館などへ届けているプロジェクトであることなどが話されました。
続いて、患者・市民パネルの役割と活動紹介です。患者・市民パネルは2008年度に創設され、今年で15年目を迎えます。患者、家族、市民の立場で、国立がん研究センターが発信する情報をよりわかりやすく・身近で・支えとなるものとするための普及に協力し、周囲に広報する役割を担っていただいています。作成段階の公開前原稿の査読、また研究班からの依頼への協力(任意)なども活動の一部です。患者・市民パネルは、情報の編集・評価を行うがん対策研究所と一般市民との橋渡しをする、いわば「がん対策応援団」といえます。
グループディスカッションに入る前に担当者から、検討テーマについて説明がありました。事前アンケート結果を踏まえて、(1)診断直後、あるいはその他のタイミングで、必要だと思う、ほしい情報にはどのようなものがあるか (2)情報を必要なときに見つけやすくするために、がん情報サービスでできる工夫は何か のいずれかをグループで選択して、ディスカッションをしてもらうことになりました。
事務局からグループ分け、ディスカッションの進め方と留意点に関する連絡の後に、11グループに分かれてディスカッションが始まりました。パネルメンバーに加えて、国立がん研究センターのスタッフがグループのファシリテーター、書記として参加しました。
グループディスカッションで挙がった検討結果の一部を記します。
(1)あるタイミングで、必要だと思う情報
「がんと診断されたばかりのとき」以外に、「終末期」「治療中」「転移・再発したとき」「診断される前、健康なとき」または「精密検査を受けるとき」「標準治療を終えたとき」「リハビリテーションなどの時期」に情報がほしかった。
タイミングにかかわらず、「情報のさがし方、評価の仕方」「AYA世代」「希少がん」「他に持病がある場合」「緩和ケア」「先進医療」「標準医療の変遷」などの情報がほしかった、あるいは見つからなかった。
(2) 情報を必要なときに見つけやすくするために、「がん情報サービス」でできる工夫
- 見出しの立て方や言葉の選び方、対象ごとに情報を分けるなど、情報をさがす立場での情報の見せ方
- デザインやレイアウト
- 信頼性のあるサイトとアピールすること
ほか、「がん情報サービス」にたどりついてもらうためにはこうするとよいのではないかなど、各グループで様々なことが話し合われました。
ディスカッション後には全体共有の時間を設け、各グループの代表者が発表しました。
検討会の最後には、高山智子・がん情報提供部長から、
「それぞれ持つ情報や経験が違う中で、これだけ活発で中身の濃い議論をしていただき感謝する。できるところからすぐにでも改善していきたい。どう届けるか、情報の活用のためにさらにご意見を募る場面も今後あると思う。パネルの方々は手厚いサポーターであり、我々としても心強い存在だ。」といったコメントがありました。
若尾事業統括が、「実体験に基づく多くの貴重な意見を真摯に受け止め、多くの方へ届けられるようにしたい」と述べ、閉会のあいさつを行い、検討会が終了しました。
検討会後には、参加希望者による交流会を行いました。全国各地のパネルメンバーがランダムに少人数のグループに分かれ、交流する場になりました。
参加者からは「貴重な話が聴けた」「活発な意見交換ができた」という感想や意見が多数あがりました。