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2026年度「患者・市民パネル」委嘱状交付式・検討会~生成AI時代、がん情報サービスをどう使う?~
開催日時
開催日:2026年5月15日(金曜日) 開催時間:13時30分から16時30分
開催方式
現地(国立がん研究センターセミナールーム)とオンライン(Zoomミーティング)のハイブリッド
プログラム
- 開会あいさつ
- 委嘱状交付
- 説明:国立がん研究センターおよびがん情報サービスについて、患者・市民パネルの活動について
- 検討テーマ、事前アンケートの結果報告、進行方法についての説明
- グループディスカッション
- 各グループからの発表・全体共有
- 閉会あいさつ
概要
国立がん研究センターでは、患者さんやその家族、支援者、一般市民の視点をふまえたがん対策の推進を目指し、2008年度より、約100人の立場や経験が多様ながん患者・家族・市民のみなさまからなる「患者・市民パネル」にご意見をいただきながら、取り組みを進めています。患者・市民パネルの任期は2年間で、毎年公募により約半数ずつが入れ替わります。患者・市民パネルを務められた方はのべ900人を超えており、2026年度は57人が新たに加わりました。
5月15日(金曜日)に委嘱状の交付式および患者・市民パネルが集って意見交換する検討会を現地とオンラインのハイブリッド方式で開催し、北海道から沖縄県まで全国から86人(現地66人、オンライン20人)のパネルのメンバーが参加しました。

図1.会場の様子
開会にあたり、間野博行・国立がん研究センター理事長から、「がんを取り巻く環境変化とともに、がん情報の提供の在り方も変わっていかなければならないと考えており、国立がん研究センターが世界をリードする組織へと進化していく上で、この患者・市民パネルでの討議や提言は不可欠である」とのあいさつがあり、メンバーに向け委嘱状の交付が行われました。

図2.委嘱状交付
続いて、松岡豊・がん対策研究所長より、当センターおよびがん対策研究所の理念・使命、組織や活動概要、および、がん情報サービスとがん相談支援センターについての説明がありました。「がん対策研究所は、科学的根拠に基づくがん対策の創出から政策実装までを担う中核部門であり、来年7月には「がん情報サービス」の刷新を予定している。本検討会は、日本に暮らすすべての人へ確かな情報を適切に「届ける」ための重要なプロセスである。パネルのみなさまには、今後の「がん情報サービス」がどうあるべきか、使いやすさの向上のためのご助言をお願いしたい」との説明がありました。また、患者・市民パネル事務局の三村がパネルの活動の紹介をしました。
検討会の部に移り、まず、今回の検討テーマ「生成AI時代、がん情報サービスをどう使う?」についてがん情報提供部の渡部から説明がありました。
「生成AIの普及により、誰もが多様な媒体から医療情報を得られる一方、生成AIが提示する情報には不正確なものがあるなどの課題も指摘されている。パネルの皆様への事前アンケートでは、6割から8割の人ががんや医療の情報を探す際に生成AIを利用していることがわかったが、「情報の真偽の判断が難しい」といった困りごとを抱えている実態が見えてきた。今日は、みなさまが実際にどのようにがんの情報を探すのかを詳しくお聞きし、今後のがん情報サービスに何を求めるかについて、ぜひ生の声をいただきたい」とグループディスカッションにつなぎました。

図3.がんや医療の情報を探す際の検索方法(事前アンケート結果の一部)
(1)もしあなたが「おそらくがんだろう」と診断を受けたら、何の情報を、どのように探しますか? (2)生成AIを利用する人が増える中で、これからのがん情報サービスはどうあってほしいですか? をグループに分かれてディスカッションしました。現地10グループ、オンライン3グループには、パネルメンバーに加えて、国立がん研究センターの職員がグループのファシリテーター・書記として議論をサポートしました。

図4.グループディスカッション
グループディスカッションの後には、街勝憲研究員・政策評価研究部のリードのもと、5分間のストレッチを行い、活発な議論で凝った頭と体をほぐしました。

図5.5分間ストレッチ
各グループの議論内容の発表では、「がんと診断を受けた際に、どのように情報を探すか」について、次のような意見が出ました。
- まずは、検索エンジンから入る。検索結果の上から順番に見ていく。最初は知識がないので、何を調べていいのかわからない
- まずは検索エンジンと生成AIを両方駆使して情報を集め、少しでも自分の状態に近い人の情報にたどり着くまでとにかく探す。
- 最初は検索エンジンで調べ、その次に医療従事者や近所の人などに直接相談する。その過程でがん情報サービスにたどり着くが、最初にはなかなかたどり着かない。
- 対話型生成AIサービスは気持ちに寄り添ってくれる。
- 対話型生成AIサービスはそれぞれのサービスによって出てくる内容が違い、信用していない。
- スマホから離れたいときは書籍が良い。ネットは際限なく見てしまう。
「これからのがん情報サービスはどうあってほしいか」については、次のような意見が出ました。
一人ひとりと向き合う
- 自分の状況(がん種やステージ)にデザインされた情報を提示してほしい。
- あなたはどんなことを知りたいのか?などの質問をチャート式に提示してもらい、自分の状況に当てはまる情報を見たい。
- こちらから必要な情報を探しに行くのではなく、コンシェルジュのような役割を果たしてくれる機能があると良い。
表現や提示の工夫
- 情報がかたく、専門書を読んでいるように感じる。
- 正しい情報が発信されているからこそ、アニメや動画などでしゃべってくれるなど、わかりやすくしてほしい。
- PCで見やすいように作られている。スマホ画面を想定した作りのほうが使いやすい。
認知度の向上
- がん情報サービスや、書籍「がんになったら手にとるガイド」の存在が知られていない。診断された病院でまず教えてほしい。
精神的ケアやコミュニティ機能
- 厳しい治療の現実だけではなく、前向きになれる情報があれば、精神的に不安定な中でも、冷静に情報をとらえられるかもしれない。
- がん情報サービス上でも、患者同士がつながれる仕組み(コミュニティ機能など)を整えるとよい。

図6.グループの議論内容の発表

図7.オンライングループの議論内容の発表
全13グループの全体共有・発表を受けて、八巻知香子・がん情報提供部長は閉会のあいさつで「新鮮な意見をちょうだいし、がん情報サービスのリニューアルに向けて大きな気づきが得られる会となった。がん情報サービスは公的で書面的な情報を掲載するだけではなく、多くの人にとって読みやすくなるような工夫が必要であると感じた。がん情報サービスをさらに多くの人に知っていただく必要があることもわかったので、パネルメンバーの皆さまにはSNSなどを通じてがん情報サービスの周知を手伝っていただきたい。」と結びました。
検討会の終了後には、交流会が行われました。全国各地のパネルメンバーが、グループに分かれて自由に会話を楽しみ、交流を深める場となりました。