トップページ > さまざまな希少がんの解説 > メルケル細胞がん(めるけるさいぼうがん)
メルケル細胞がん(めるけるさいぼうがん)
更新日 : 2023年9月29日
公開日:2021年11月26日
★国立がん研究センタートップページ
★中央病院トップページ
★東病院トップページ
メルケル細胞がんについて
メルケル細胞という名前の細胞ががん化してできます。高齢者の頭部や顔面にできることが多く、このがんも紫外線との関連が指摘されています。メルケル細胞がんの発生にポリオーマウイルスというウイルスが関与することが知られていますが、ウイルスとの関連がないものもあります。
診断
赤い結節状の病変として見られることが多いですが、臨床的な見た目だけでは診断をつけることが難しく、生検を行い病理組織診断により確定診断します。
治療
外科手術の際、原発巣は腫瘍の大きさより1-2センチメートルの余裕をもって切除することが望ましいとされています。リンパ節へ転移しやすいため、原発巣の手術を行うときはリンパ節が腫れていなくてもセンチネルリンパ節と呼ばれるがんの転移が最初に起こるリンパ節を見つけ、病理組織検査することが推奨されています。
メルケル細胞がんには放射線治療もよく効くことが知られており、手術治療以外の方法として選択される場合や、手術治療後に再発を予防する目的で放射線治療を行うことなどがあります。
薬物療法としては、従来、肺の小細胞がんによく似た性格であると考えられており、薬物療法もこのがんの治療を参考にして行われることが多かったです。現在ではアベルマブという免疫チェックポイント阻害薬が本邦において承認されており、比較的高い奏効率が期待される薬剤として注目されています。
希少がんリーフレット
執筆協力者
- 山崎 直也(やまざき なおや)
- 希少がんセンター
- 国立がん研究センター中央病院
- 皮膚腫瘍科
- 高橋 聡(たかはし あきら)
- 国立がん研究センター東病院
- 皮膚腫瘍科
- 並川 健二郎(なみかわ けんじろう)
- 希少がんセンター
- 国立がん研究センター中央病院
- 皮膚腫瘍科
- 緒方 大(おがた だい)
- 国立がん研究センター中央病院
- 皮膚腫瘍科
- 中野 英司(なかの えいじ)
- 国立がん研究センター中央病院
- 皮膚腫瘍科