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研究プロジェクト
希少がんとは、「年間発生数が人口10万人あたり6例未満の悪性腫瘍」と定義されています(Surveillance of Rare Cancers in Europe(外部リンク))。数が少ないことに起因する様々な診療や受療上の課題が希少がんには存在します。標準的な診断法や治療法の確立、研究開発や臨床試験の推進、診療体制の整備、などが希少がんにおいて重要な課題です(文献1(PDF:348KB))。大多数のがんは由来する臓器や生物学的な特性によって定義されているのに対し、希少がんは発生頻度によって定義されるという特色があります。発生頻度によって定義されるがんなので、希少がんには実にさまざまな悪性腫瘍が含まれます(希少がんは希少ではない)。たとえば、国立がん研究センター・希少がんセンターが対象としている希少がんとしては、肉腫、GIST、小児がん、脳腫瘍、眼腫瘍、皮膚腫瘍、頭頚部腫瘍、中皮腫、原発不明がん、神経内分泌腫瘍などがあります(希少がんセンターホームページより)。文献的には200種類近いがんが、希少がんとみなされています。 我々は、トランスレーショナル・リサーチによって臨床的な課題を克服する知見を得ようとしています(希少がんはなぜ希少なのか)。臨床の課題を基礎研究のアプローチで解決したり、基礎研究の成果を臨床に応用したりする研究では、臨床医との共同研究が重要です。したがって、多種多様ながんのうち、共同研究のパートナーとなる臨床医が得られるがんを優先的に研究対象とします。また、新しい抗がん剤を製薬企業の方がお持ちの場合、我々は積極的に共同研究を行います。