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国立がん研究センター

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国内初の造血器腫瘍遺伝子パネル検査「ヘムサイト®」の製造販売承認取得について

2024年9月20日
大塚製薬株式会社
国立研究開発法人国立がん研究センター
国立大学法人九州大学
国立大学法人京都大学
国立病院機構名古屋医療センター
国立大学法人東京大学医科学研究所
慶應義塾大学医学部
In English

概要

大塚製薬株式会社(本社:東京都、以下「大塚製薬」)と国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都、以下「国立がん研究センター」)が共同設計し、国立がん研究センター、国立大学法人九州大学(所在地:福岡県)、国立大学法人京都大学(所在地:京都府)、国立病院機構名古屋医療センター(所在地:愛知県)、国立大学法人東京大学医科学研究所 附属先端医療研究センター(所在地:東京都)、慶應義塾大学医学部(所在地:東京都)との共同研究コンソーシアム*1にて開発した造血器腫瘍遺伝子パネル検査「ヘムサイト®」について、大塚製薬が国内における製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。今後、保険適用の手続きを行い、発売に向けた準備を進めます。

がん遺伝子パネル検査*2は、固形腫瘍を対象としたものが既に保険適用されていますが、造血器腫瘍では、製造販売承認されたものはなく、保険診療下でのがんゲノム医療が実施できておりません。本製品は、厚生労働省から先駆け審査指定制度*3対象品目に指定*4され、国内で初めて製造販売承認された造血器腫瘍及び類縁疾患を対象とした遺伝子パネル検査です。体外診断用医薬品「ヘムサイト®診断薬」と医療機器プログラム「ヘムサイト®解析プログラム」により構成されています。

近年、世界保健機関(World Health Organization:WHO)等が提唱する造血器腫瘍の診断・治療指針では、ゲノム情報に基づいた診療が推奨され、ゲノム情報を用いずに適切な診断・治療を行うことが困難になりつつあります。国内においても、日本血液学会から造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン*5が発行され、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など疾患・ステージ毎に遺伝子パネル検査推奨度が提示されています。本製品は、同ガイドラインにある造血器腫瘍の遺伝子異常が網羅的に検査できるように設計されており、遺伝子異常による「診断」、「治療法選択」、「予後予測」が可能になることが期待されます。

このたびの造血器腫瘍遺伝子パネル検査「ヘムサイト®」の承認により、日本国内における造血器腫瘍領域において、個別化医療が大きく進歩し、よりよい医療に貢献することが期待されます。

共同研究コンソーシアムで臨床的有用性を検証された九州大学大学院 病態修復内科学 教授 赤司 浩一は、「近年、固形腫瘍を対象にした遺伝子パネル検査が保険適用されて以来、がんゲノム医療が急速に進展しています。造血器腫瘍でも、がんゲノム医療の実装を目指し、造血器腫瘍ゲノム検査ガイドラインが発行されましたが、造血器腫瘍に使用できる遺伝子パネル検査はありませんでした。このたびの国産造血器腫瘍遺伝子パネル検査の承認により、造血器腫瘍においてもがんゲノム医療が進み、患者さん一人ひとりに最適な治療ができることを期待しています」と述べています。

大塚製薬 診断事業 事業部長 大橋 達朗は、「ヘムサイト®は日本で初めての造血器腫瘍遺伝子パネル検査であり、共同研究コンソーシアムに参加していただいた医療関係者、開発にかかわったすべての患者様と関係者の皆様に感謝します。大塚製薬は、これまで白血病を対象とした遺伝子検査用体外診断薬を製造販売してきました。ゲノム医療推進法の成立があるなか、今回、造血器腫瘍および類縁疾患を対象にしたヘムサイト®が新しくラインアップに加わることを大変喜ばしく思います。造血器腫瘍は小児がんでは最も多いがんであり、成人も増加傾向にあります。このため成人から小児まで必要とされるすべての造血器腫瘍患者さんの個別化医療へ貢献できることを期待しています」と述べています。

本製品の開発に当たり、開発および商業化契約*6を締結したイルミナ社のアジアパシフィック、中東&アフリカ地域担当シニアバイスプレジデントのグレッチェン・ウェイトマンは、「このたびの日本国内におけるヘムサイト®の承認を大変嬉しく思います。ゲノムシーケンスにおけるテクノロジーパートナーとして、造血器腫瘍の患者さんに包括的なゲノムプロファイリングを提供する大塚製薬と医療機関をサポートできることを誇りに思っています」と述べています。

製品概要

造血器腫瘍遺伝子パネル検査「ヘムサイト®」は体外診断用医薬品「ヘムサイト®診断薬」と医療機器プログラム「ヘムサイト®解析プログラム」により構成されています。

販売名

ヘムサイト®診断薬

使用目的    

末梢血,骨髄液,組織又は体腔液より抽出したDNA 及びRNA 中の造血器腫瘍関連遺伝子変異の検出のための塩基配列情報の取得(造血器腫瘍又は類縁疾患の包括的なゲノムプロファイリング)

販売名

ヘムサイト®解析プログラム

使用目的又は効果 

本品は、組み合わせて使用する体外診断用医薬品等により得られた塩基配列情報を入力することで、その解析結果の表示及び出力を行う。本品は、造血器腫瘍及び類縁疾患患者を対象とし、腫瘍等の包括的なゲノムプロファイルを取得する。

用語解説

* がん遺伝子パネル検査

がん遺伝子パネル検査は、がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴を知るための検査です。がんの特徴が分かれば、一人ひとりに適した治療法を探すことができます。患者さんのがん組織や血液を使って、がん細胞の数十から数百の遺伝子を一度に調べ、その中で起きている遺伝子の変化を確認します。遺伝子の変化によっては、効きやすい薬が分かる場合があります。検査結果は「エキスパートパネル」と呼ばれる専門家の集まりで検討し、担当医はエキスパートパネルで話し合われた結果を参考にして、治療法を患者さんに提案します。

*1:国内初の造血器腫瘍を対象とする遺伝子パネル検査を開発 -国内主要施設と大塚製薬とのコンソーシアムで臨床的有用性を検証するプロジェクト開始-(https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/0326/index.html

*2:よく分かるがんゲノム医療とC-CAT(https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp/knowledge/cancer_genomic_medicine/panel_test.html

*3:医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の先駆け審査指定制度の試行的実施(第五回)について(薬生機審発0906第1号)

*4:「先駆け審査指定制度」の対象品目を指定しました(令和2年6月19日 厚生労働省プレスリリース(https://www.mhlw.go.jp/content/000731950.pdf))(外部サイトにリンクします)

*5:一般社団法人日本血液学会 造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン 2023年度版(http://www.jshem.or.jp/genomgl/home.html)(外部サイトにリンクします)

*6:造血器腫瘍遺伝子パネル検査に関する開発および商業化契約締結について(https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2021/20210203_1.html)(外部サイトにリンクします)

お問い合わせ先

大塚製薬株式会社 広報部
電話:03-6361-7379(直通)
Eメール:pr-pharma●otsuka.jp

国立研究開発法人国立がん研究センター 企画戦略局 広報企画室
電話:03-3542-2511(代表)
Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp

国立大学法人九州大学 総務部広報課
電話:092-802-2130
Eメール:koho●jimu.kyushu-u.ac.jp 

国立大学法人京都大学 渉外部 広報課 国際広報室
電話:075-753-5729
Eメール:comms●mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

国立病院機構名古屋医療センター 事務部 管理課
電話: 052-951-1111(代表)
Eメール:311-kanrika●mail.hosp.go.jp

国立大学法人東京大学医科学研究所 プロジェクトコーディネーター室(広報)
電話番号:090-9832-9760
Eメール:koho●ims.u-tokyo.ac.jp

慶應義塾大学 信濃町キャンパス 総務課
電話:03-5363-3611
Eメール:med-koho●adst.keio.ac.jp

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