がん登録研修をカンボジア及びベトナムで開催しました
2018年9月5日から7日カンボジア・プノンペン、また9月18日から20日ベトナム・ハノイにて、国立がん研究センターは国際がん研究機構(IARC)のがん登録に関する国際協力事業(GICR)に関するコラボレーティングセンターとして、がん登録研修を主催しました。
当センターの全国がん登録室室長の松田智大および研究員の雑賀公美子を筆頭に、e-Asiaのパートナー国であるフィリピンのがん登録のエキスパート、国立がん研究センターとMOUを締結している中国およびタイの国立がんセンター/病院の専門家を講師として現地へ派遣し、がん登録の総論、国際疾病分類腫瘍学第3版(ICD-O3)やがん登録ソフトウェア(CanReg5)の実習等、国際標準のがん登録の実施に必要なトピックを網羅しました。
カンボジアは1991年まで内戦状態が続き一度は医療システムが完全に破壊しましたが、近年は安定的な経済成長がみられ、これから法整備を含めたがん登録の設立が始まる段階です。そのため今回の研修は注目度が非常に高く、現地の3テレビ局の取材が行われ、また開会挨拶をされたカンボジア国立がんセンターが所属するカルメット病院総長から、病院全体としてもがん登録はトッププライオリティであるとの発言がありました。
カンボジア研修:開会式
左 松田智大
ベトナムでは、すでに住民ベースのがん登録(Population-Based Cancer Registry (PBCR))がハノイ及びホーチミンに整備されており、ベトナム国立がんセンターのK3キャンパスで、がん登録の精度向上に焦点を当てた研修を開催しました。ハノイ・ホーチミンの他、全国9か所に位置するPBCRから実務者約50名が研修に参加され、活発な議論が繰り広げられました。