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免疫学的解析支援

免疫創薬部門では、製薬企業やNCC内外のアカデミアと連携して、トランスレーショナル研究に関する免疫解析の技術支援を積極的に行っています。

具体的には、製薬企業やアカデミアが主導する臨床試験の付随研究として、末梢血やがん組織の免疫学的解析を実施し、バイオマーカーの探索や新薬の免疫学的機序の解明に関わる研究を受託しています。

また、アカデミアに関しては、新規免疫療法の基礎開発における動物モデルや臨床検体の免疫学的解析を支援しています。2022年度からは、AMED革新的医療実用化研究事業の技術支援班としても免疫プロファイル解析を請け負い、各研究班の研究推進にも貢献しています。

支援内容

  • フローサイトリー解析
    末梢血や腫瘍内浸潤細胞などに含まれる様々な免疫細胞の比率、細分化したサブセット、分子発現レベルなどを評価します。
  • 可溶分子解析
    ELISA、マルチプレックスなど使って、血清・血漿・培養液などに含まれる様々なサイトカインやケモカイン、可溶型膜分子などを測定します。
  • 免疫遺伝子発現解析
    デジタル核酸解析技術などを使って、免疫細胞やがん細胞における免疫関連遺伝子の発現を解析します。
  •  免疫機能解析
    T細胞増殖アッセイやELISpot アッセイなどにより、抗腫瘍エフェクター細胞の機能を評価します。また、ADCC(抗体依存性細胞傷害)やADCP(抗体依存性細胞食作用)を解析することにより、抗体やB細胞、マクロファージなどの貪食細胞などの機能活性を評価します。さらに、末梢血球などから分離した制御性T細胞や骨髄由来抑制性細胞をこれらのアッセイ系に添加することにより、免疫抑制機能活性を評価します。

運用方針

  1. ヒト臨床検体の免疫学的解析を支援します。
  2. 解析支援のみなのか、共同研究扱いにするのかについて、事前に打ち合わせます。
  3. 研究の目的やサンプル量などにより推奨する解析手段が異なりますので、あらかじめ担当者と相談した上で、解析方法を選択していただきます。
  4. フローサイトメトリー解析用の免疫細胞のサンプリングはこちらが行いますが、サイトカイン解析用の血清・血漿・培養液などや、免疫遺伝子発現解析用のDNA/RNAのサンプリングは、原則的に依頼者に行っていただきます。
  5. フローサイトメトリー解析用の抗体パネルは、ご要望に応じて適宜カスタマイズすることは可能です。しかし、これには時間を要することもあり、解析のスタートが遅れてしまう場合もございます。
  6. 全て受託順に進めるため、順番待ちにより長くお待ちいただくこと場合もございます。

これまでの支援実績

  • NCC中央病院やNCC外アカデミアの医師主導治験における、新規バイオマーカー探索のための免疫プロファイル解析
  • 新規免疫療法のFIH試験におけるPOC取得のための免疫学的解析
  • 製薬企業の新規治療法開発を目指した標的探索のための免疫学的解析
  • 思いもよらない有害事象発生時の原因究明のための迅速な免疫学的解析
  • 臨床的に稀な症例のメカニズム解明のための免疫プロファイル解析
  • 動物モデルを用いた新規治療法開発における免疫学的解析