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技術支援

共焦点顕微鏡解析の支援

RI実験施設はFIOCの一員として、研究者の皆様に共焦点顕微鏡を使ったレーザーマイクロ照射技術の支援を行っています。レーザーマイクロ照射は、高エネルギーレーザー光を微小な領域に照射する技術です。この手法により、細胞内の特定の部位に精密な損傷を与え、DNA損傷修復タンパク質の生細胞内挙動をリアルタイムに解析することができます。

支援内容

私たちの施設では、ライカ社の共焦点顕微鏡 Leica TCS SP8(研究所共通機器)に搭載されたレーザー光を利用して、レーザーマイクロ照射実験を行っています。顕微鏡下で細胞内の一部にピンポイントでレーザーを照射し、DNA損傷を誘導します。続けて、生細胞イメージングにより、目的タンパク質の挙動をリアルタイムで観察・撮影します。撮影画像の解析プログラムによる、蛍光強度の経時的な定量計測も可能です。本実験系に関し、以下の技術支援を提供します。

  • テクニカルアドバイス

当施設の専門家が、実験計画から実施まで、レーザーマイクロ照射技術に関して的確なアドバイスを提供します。実験の詳細なプロトコルやパラメータの調整について、研究者の皆様をサポートします。

  • 解析サポートとデータ評価

実験後のデータ解析や評価に関してもお手伝いいたします。データの解釈や定量評価方法についてアドバイスし、解析過程での疑問にお答えします。



注:実験は、当施設の専門家の指導のもと、研究者の皆様に行っていただきます。


あらかじめ必要なもの

レーザーマイクロ照射実験では蛍光観察が必要なため、GFP等の蛍光タンパク質による目的タンパク質の標識が必要になります。こちらは研究者の皆様ご自身であらかじめご準備していただきます。

その他、必要な準備等についての詳細は、事前のご相談の際にご説明いたします。


過去の支援事例と成果

当施設が支援した成果事例からいくつかをご紹介します。

1. レーザーマイクロ照射技術を用いて、タンパク質リン酸化・脱リン酸化両方の活性を併せ持つユニークなタンパク質hPNKPのDNA損傷応答ダイナミクスを解析し(図1)、hPNKPの修復機構における機能の解明に貢献しました(研究成果1)。

レーザーの図
図1. レーザーマイクロ照射実験によるhPNKPのDNA損傷応答ダイナミクスの解析



2. 遺伝性脊髄小脳変性症の一つであるAtaxia-oculomotor apraxia: AOA1の原因遺伝子APTXの機能について、レーザーマイクロ照射技術と遺伝子ノックダウンを組み合わせることで、DNA修復において他の修復タンパク質とどのような関係にあるかが明らかになりました(研究成果2)。



<研究成果>

1. The FHA domain of PNKP is essential for its recruitment to DNA damage sites and maintenance of genome stability.
    Tsukada K, Shimada M, Imamura R, Saikawa K, Ishiai M, Matsumoto Y.Mutat Res. 2021 Jan-Jun;822:111727. doi: 10.1016/j.mrfmmm.2020.111727. Epub 2020 Nov 2.

2. APTX acts in DNA double-strand break repair in a manner distinct from XRCC4.
    Imamura R, Saito M, Shimada M, Kobayashi J, Ishiai M, Matsumoto Y.J Radiat Res. 2023 May 25;64(3):485-495. doi: 10.1093/jrr/rrad007.



放射線・RI実験支援

 当施設では、ラジオアイソトープを用いた実験についてのご相談にも応じています。

支援内容

  • 実験プラン立案
  • テクニカルアドバイス

 
注:ラジオアイソトープの使用には登録申請・教育訓練・健康診断が必要になります



DNA損傷応答・DNA修復・DNA組換え等の解析支援

 当施設の専門家が、DNA損傷応答・DNA修復研究に関し、必要な実験・解析法等について研究者の皆様のご相談に乗ります。

支援内容

  • テクニカルアドバイス




お問い合わせ

当施設の技術支援に関する質問や要望について、以下の連絡先までお気軽にお問い合わせください。

メール:radkanri@ml.res.ncc.go.jp