2018年9月12日公表「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2008-2009年5年生存率」に関する一部報道について
上記の公表に関する一部報道において、国立がん研究センターが、がんが「治る病院」「治らない病院」を「名指しした」という見出しをつけた上で、特定の病院を「治る病院」や「治らない病院」と報じられていますが、当センターがこのような内容を公表した事実はございませんし、このような記事は国民に大きな誤解を生じさせるものと考えております。
今般、国立がん研究センターでは、がん医療の透明性を確保すること等を目的として、施設別の病期別にがん登録5年生存率を初めて公表しましたが、公表資料にも明記しているとおり、「施設別生存率については、施設間で患者の年齢や他疾患の有無など分布等に差があるため、各施設の生存率が直ちに当該施設の治療成績を示すわけではないこと、更に施設間の比較には適さないことに注意」が必要であると考えております。
従って、今回の施設別の5年生存率の数値だけをもって各施設の治療成績を単純に比較できないことはもとより、さらに、特定の病院に対して、がんが「治る病院」や「治らない病院」と名指しすることは、事実を著しく歪めていると言わざるを得ず、国民の皆様に大きな誤解を生じかねないものと考えております。
今回の施設別の5年生存率の公表は、国民の皆さまに情報を公開し、がん医療の透明性を確保するとともに、各施設が医療の現状を把握し、がん医療の質の向上を目指す契機となるよう、全国のがん診療連携拠点病院等が自らの判断で公表に参加したものです。このようながん治療に取り組んでいる全国の病院の思いも一部の報道は著しく損なうものであり、誠に遺憾であると考えております。
このため、一部の報道機関に対しては、報道内容に関して抗議を行ったところです。
なお、今回、公表した施設別の5年生存率等に関しては、下記に詳細を掲載しておりますので、ご参照ください。